杜氏(とうじ)・蔵人(くらびと)・酒造技術者

日本酒作りの伝統技術者

どんな仕事?

蔵元で日本酒を製造

 日本酒を製造する蔵元で働く人を蔵人、最高責任者を杜氏といいます。杜氏は蔵内の管理から製造工程のすべてを指揮し、目を配ります。杜氏のもとで働く蔵人は10名ほどで、それぞれの作業で担当に分かれます。江戸時代から続く寒造りとよばれる製造工程では、毎年11月から翌年4月まで酒蔵に入り、製造作業を行います。かつての杜氏や蔵人は故郷で農業や漁業にも従事しており、農閑期に酒造りのため全国から蔵元へ集まりましたが、近年では酒造メーカーの社員として勤務し、通年で作業を行う体制をとる会社も増えました。杜氏の高齢化など、伝統技術の継承が課題とされますが、大学や農業高校などで醸造技術を学んだ若者が入社するようになり、近代的な製造体制に移行、または伝統製法と両輪で製造を行う酒蔵もあります。

つくには?

大学などで醸造技術を学ぶことも可能

 酒造メーカーに就職します。酒蔵は47都道府県にありますが、その規模はさまざまです。酒蔵の多い県は新潟、長野、兵庫などが上位を占めます。必須ではありませんが、大学などで醸造技術を学ぶと就職には有利のようです。酒造メーカーの中には杜氏の制度を廃止し、醸造技術を修得した社員が科学的に品質を管理して量産に成功した会社もあるなど、日本酒の製造にも近代化の波が押し寄せています。環太平洋パートナーシップ(TPP)協定により、日本酒の輸出関税が撤廃され、和食とともに日本酒を主要輸出品として政府も力を入れていますので、今後の動向が気になるところです。

関連学科

農芸化学科、発酵工学科、醸造科学科 など

関連記事

ページトップへ