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コロナ禍による内食率上昇で「塩分過多」に。高まる減塩志向に食品業界も対応

食・栄養

緊急事態宣言下での内食で7割以上が塩分過多を自覚

 味の素㈱が、2020年に全国1,000名を対象に実施した調査によると、新型コロナウイルスの流行をきっかけに内食率が75%を超えたことがわかりました。そして、インスタントやレトルトの食品の併用などもあり、塩分の摂取過多を感じる人が多く、全回答者の7割以上が「減塩に取り組みたい」と答えています。
 相次ぐ緊急事態宣言の発令期間中によく食べたメニューのトップ3は1位:ラーメン、2位:カレー、3位:パスタでしたが、これらは塩分・糖質・脂肪が高めのメニューで、ともすると1食で1日分の塩分目標摂取量の半分前後に達する可能性があります。ところが、減塩に対する行動を実行できた人は3割未満となっており、減塩志向があるものの、具体的な対応ができていないのが実態です。
 こうした現状に対応するべく、現在、食品メーカーを中心に減塩・低塩商品が次々と開発・発売され注目を浴びています。

超ロングセラーの人気商品も45年目にまさかの減塩!?

 様々な食品分野の中で最も注目されているのが調味料業界です。老舗醤油メーカーである日本丸天醤油㈱は、この秋、人気商品「天翔ゆずぽん酢」の食塩分を50%にした「天翔減塩ゆずぽん酢」を発売しました。単に元商品の食塩分を半減したのではなく、50%の食塩分で新たに開発し「減塩でも濃厚でコクのある」商品の開発に成功しました。開発にあたっては、「コロナ禍で健康志向になった自宅で料理する人」を意識したそうです。
 また、せんべい・あられなどの米菓メーカーである亀田製菓㈱は、45年もの長きにわたり愛されてきた人気商品「ハッピーターン」の減塩バージョンを新たに発売し、大きな話題となりました。従来商品よりも塩分を30%カットしたこの商品には、「がっつり食べちゃうから、塩分カットはありがたい」という減塩・健康志向の人からの声があがっています。
 コンビニ商品にも減塩の流れは来ています。スープと具材を自由に選んでカスタマイズできるナチュラルローソンの新シリーズ「具材が選べるスープ」は、1食あたりの食塩相当量が2品の組み合わせでも3.4g以下にされていて、人気商品になりました。
 コロナ禍により高まった健康意識により、減塩商品は増加傾向にあります。今後は、減塩だけでなく、新たな健康効果をうたった商品の開発も盛んになるでしょう。

(参考:FOODS CHANNEL)

2022年5月27日更新

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