高級感あるサービスと空間に注目
癒しや自分へのご褒美に利用する人も!
理容室は個人経営の店舗が多いのが特徴です。他業界と比べると従事者の高齢化が進み、世代交代が行われない店舗は廃業を余儀なくされているのが現状です。安価な理容室がチェーン展開する一方、ワンランク上のサービスを提供する「バーバー」と呼ばれる高級理容室の人気が上昇中。近年では、自分のために身だしなみを整えたいと考える人が増え、女性向けシェービングや福祉施設への訪問理容などが注目されています。
店舗数・スタッフ数は年々増加中!
<全国の美容室数> 264,223店
<美容師従事者数> 561,475名
(令和3年度 厚生労働省衛生行政報告例より)
春 88.5%(第47回)
秋 60.5%(第46回)
多様な働き方が可能!待遇面の改善にも期待
美容室は個人経営と多店舗展開の事業者が混在しています。多店舗チェーン展開の美容室は定期的に採用を行っており、前年度と比較しても美容師の従事者数は11,540名増加しています。美容業界では、人材確保のため、休日や給与など待遇面を改善する動きもみられ、2023年の1年以内の離職率と休眠美容師率は過去5年で最も低くなっています。
リベンジ消費・ご褒美需要に期待大
2兆1,143億円(主要企業15社合計)
(2021~2022年版業界動向サーチより)
<売上上位>
1位 資生堂(10,351億円)
2位 花王 (2,393億円)
3位 コーセー(2,249億円)※化粧品事業
4位 ポーラ・オルビスHD(1,786億円)
5位 DHC (901億円)
スキンケア、ヘアケアアイテムの注目度アップ
2022年は外出自粛や訪日外国人の減少が影響し、業界規模は2年連続で縮小しました。スキンケアやヘアケア用品が出荷額のほとんどを占め、メイク用品の需要は減少しています。しかし、ひと足先に経済活動が再
開された海外では、メイク用品の需要が回復し始めていることから、日本でも同様の流れになると期待されています。
オンライン・オフラインの両立が課題に
7兆6,105億円(前年比101.3%)
(矢野経済研究所 2022年発表)
1位 ファーストリテイリング(ユニクロ)(2兆1,329億円)
2位 しまむら(5,836億円)
3位 アダストリア(2,015億円)
4位 ワコールHD(1,728億円)
5位 ワールド(1,713億円)
(業界動向リサーチ 2021年~2022年版)
販売チャネル、製作ともにデジタルの活用がカギに
ファーストリテイリングはアジア諸国をはじめとした海外での売上が好調で、売上と店舗数ともに海外が国内を上回っています。業界全体で見ると、2021年に入ってからリアル店舗に客足が戻り始めましたが、その分EC販売の売上げは鈍化しています。デジタルデータを活用してパーツを作り、立体的な衣類を作る最新技術の研究が各社で進んでいます。
A.美容師とヘアメイクアーティスト両方の職能を併せ持つ人のことです。
坂本りんなさんが代表を務める株式会社プアラが中心となって、″ヘアメイク師″を広める活動を行っています。美容師とヘアメイクの仕事を両立できる体制の整備や教育カリキュラムの作成などを行い、今ではヘアメイク師育成サロンが100店舗を超えています(2023年4月末現在)。幅広いキャリアパスを実現できる業種として期待されています
A.人と地球にやさしい美容アイテムやブランドのことです。
エシカルファッションやSDGsの浸透により、バイオマス容器やパウチなどの再生可能な容器にリニューアルするメーカーが急増しています。環境への配慮だけではなく、人体への悪い影響もなく、原料調達の際にはフェアな対価を支払っているなど、あらゆる面にやさしいアイテムやブランドであることが求められています。
A.ファッション産業や業界に関わる法律を分かりやすく説明したガイドブックのことです。
2023年3月、経済産業省から、日本で初めてのファッションローガイドブックが発表されました。商標登録についてやデザインの権利のこと、プロモーション活動など、ファッション業界で仕事をする人がぶつかりやすい法律関連の課題を未然に防げるように、分かりやすく解説されています。ガイドブックは、経済産業省のWEBサイトからスマートフォンで見ることができます。
不況が徐々に改善されていく中、「手に職」の専門職種であるビューティ・ファッション業界では、一部人材不足を指摘する声があがっています。
では就職後はどうでしょうか。初任給について比べてみると、一般的に4年制大卒者は短大・専門卒者や高卒者よりも給料が高い傾向にあります。しかし、近年では学歴や年齢ではなく個人の素質や実力を持った人材が強く求められるようになってきています。特に、ビューティ・ファッション業界では実力やセンスが問われるため、頑張り次第では収入も大幅に変わっていきます。就職後は学歴を問わず、学んできた技術や知識をどう活かすかが問われていくでしょう。
●出身別の初任給の違いの目安
東京都産業労働局「中小企業の賃金事情」(令和4年版)
高校卒 | 専門学校卒 | 高専・短大卒 | 大学卒 | |
---|---|---|---|---|
産業計 | 190,873円 | 201,938円 | 201,389円 | 215,809円 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 205,833円 | 212,917円 | 217,433円 | 224,292円 |
卸売業、小売業 | 190,042円 | 199,120円 | 200,751円円 | 213,649円 |
(注)この表の初任給は通勤手当を含んでいない。したがって、平均賃金との比較には注意を要する。