
従来のイメージを覆すプラスαの店舗が人気に
ライフスタイルに合わせた二極化
理容室は個人経営の店舗が多いのが特徴です。従事者の高齢化が進み、後継者不足による廃業も少なくないのが現状です。安価な理容室がチェーン展開する一方、ヘアスタイルに合ったファッションを提案するなどワンランク上のサービスを提供する「バーバー」と呼ばれる高級理容室の人気が上昇中です。
近年では、ビアバー併設の本格派バーバーがオープンしたり、日常の疲れを癒す豊富なリラクゼーションメニューが選べたりなど、身だしなみを整えるだけでなく上質な時間と空間を体験できる店舗が注目されています。
店舗数・技術者数は毎年増加!長く働ける職場へ
<全国の美容室数> 277,752店
<美容師従事者数> 588,291名
(令和6年度 厚生労働省衛生行政報告例より)
春 87.0%(第53回)
秋 65.4%(第52回)
待遇面の改善とキャリアプランを考える
美容サロンは個人経営と多店舗展開の事業者が混在しています。多店舗チェーン展開の美容室は定期的に採用を行っており、前年度と比較しても美容師の従事者数は8,523名増加しています。美容業界では、人材確保のため、社会保険加入など待遇面を改善する動きもみられ、育休後のキャリアが持続可能になっています。だからこそ、キャリアプランを考えて目標を明確にして、スキルを磨きながら長く働ける職場を見つけることが大切です。
需要の増加と高単価化が進み市場規模がさらに拡大
2兆5,800億円(前年度比104.1%)
(矢野経済研究所 化粧品市場に関する調査2025より)
1位 資生堂(10,673億円)
2位 コーセー(2,891億円)
3位 花王 (2,515億円)※化粧品事業
4位 ポーラ・オルビスHD(1,663億円)
5位 DHC (874億円)
(2022~2023年版業界動向サーチより)
インバウンド需要も好調、男性メイク市場も伸びる
昨年よりさらに消費者の外出機会が増えて需要が伸びたことに加え、これまでの低価格・高機能商品からプレミアム商品を中心とする高価格帯へとシフトしたことにより、2025年のメーカー出荷額は2兆5800億円と、昨年比104.1%の拡大。そのうち約半数がスキンケア市場です。堅調なインバウンド需要も追い風となっています。男性化粧品市場も好調で、メイクアップとヘアケアの比率が初めて逆転しました。
予測困難な状況だからこそ工夫が求められる
8兆5,010億円(前年度比101.7%)
(矢野経済研究所 2025年発表)
1位 ファーストリテイリング(ユニクロ/GU)(3兆4,005億円)
2位 しまむら(6,654億円)
3位 アダストリア(2,931億円)
4位 ワールド(2,257億円)
5位 オンワードHD(2,084億円)
(パフェット・コード「アパレル業界売上高ランキング」 2025年10月版)
国内市場と海外戦略を見極める
ファーストリテイリングはアジア諸国をはじめとした海外での売上が好調で、売上と店舗数ともに海外が国内を上回っています。2024年の業界全体の業績は、店舗販売とECサイトの相乗効果によりプラスで推移しています。一方で、多くの企業が価格の二分化の選択を余儀なくされています。ブランドの価値を示す努力とともに、国際情勢を踏まえたグローバル戦略の練り直しが喫緊の課題といえるでしょう。
A.コラーゲンの糖化を防ぎ、肌・骨・関節の働きを守りながらコラーゲンの「質」を高めるハーブエキスのこと。
日本メナード化粧品は、インド原産のハーブ「バコパモニエラ」から抽出したエキスに、コラーゲンの質を低下させる最終糖化産物(AGEs)の「生成を抑制する効果」と「蓄積したAGEsの分解を促進する効果」があることを見出しました。
このエキスは、コラーゲン本来のしなやかさを損なう原因となる糖化から、肌・骨・関節などを守り、全身のコラーゲンの質を高めることで、加齢に伴う肌のハリや弾力、骨のしなやかさ、関節のクッション性の機能低下の改善に役立つことが期待されます。
A.美容業界に新しい職業として誕生したヘアケア専門人材のこと。
2026年3月、株式会社SPACE X(東京都)はヘアケアの専門人材「艶髪ソムリエ®」の育成と、正しいヘアケア知識の普及を目的とした一般社団法人 艶髪ソムリエ®協会を設立しました。艶髪ソムリエ講座は2024年7月に開講、現在第3期まで開催し累計138名が受講しています。艶髪ソムリエは、消費者と美容業界の情報ギャップを埋める新しい美容職業として、今後全国への展開を目指します。
A.大阪・関西万博で展示された立体物用モバイル型ミシンのこと。
2025年に開催された大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」の関西大学リボーンチャレンジでは、トヨタ車体の特許技術を活用した「MIRAIミシン」を発表しました。椅子などの立体物に当てて直接縫うことができる、モバイル型のミシンです。製造は大阪のミシンメーカー、アックスヤマザキが手掛けました。同社はコロナ禍での手作りマスクやミシン男子需要などを背景に、生活者ニーズに寄り添ったヒット商品を多数開発していますので、実用化が期待されています。
| 資格・検定名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 理容師【国家資格】 ※2025年2月・3月実施 |
1,399名 | 1,152名 | 82.3% |
| 美容師【国家資格】 ※2025年2月・3月実施 |
19,776名 | 17,427名 | 88.1% |
| JNECネイリスト技能検定1級 ※2025年4月実施 |
2,298名 | 1,208名 | 52.6% |
| 日本メイクアップ技術検定1級 ※2025年2月実施 |
‐ | ‐ | 68.3% |
| カラーコーディネーター検定試験®アドバンス ※第57回、2024年10月~11月実施 |
1,325名 (実受験者数) |
600名 | 45.3% |
| カラーコーディネーター検定試験®スタンダード ※第57回、2024年10月~11月実施 |
2,130名 (実受験者数) |
1,512名 | 71.0% |
| 色彩検定1級 ※2024年度実施 |
2,456名 (志願者数) |
‐ | 41.8% |
不況が徐々に改善されていく中、「手に職」の専門職種であるビューティ・ファッション業界では、一部人材不足を指摘する声があがっています。
では就職後はどうでしょうか。初任給について比べてみると(下表を参照)、一般的に4年制大卒者は短大・専門卒者や高卒者よりも給料が高い傾向にあります。しかし、近年では学歴や年齢ではなく個人の素質や実力を持った人材が強く求められるようになってきています。特に、ビューティ・ファッション業界では実力やセンスが問われるため、頑張り次第では収入も大幅に変わっていきます。就職後は学歴を問わず、学んできた技術や知識をどう活かすかが問われていくでしょう。
●出身別の初任給の違いの目安
東京都産業労働局「中小企業の賃金事情」(令和7年版)
| 高校卒 | 専門学校卒 | 高専・短大卒 | 大学卒 | |
|---|---|---|---|---|
| 産業計 | 208,783円 | 220,303円 | 220,439円 | 233,725円 |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 216,358円 | 216,088円 | 221,306円 | 224,687円 |
| 卸売業、小売業 | 205,535円 | 214,711円 | 214,325円 | 228,238円 |
(注)この表の初任給は通勤手当を含んでいない。したがって、平均賃金との比較には注意を要する。