【ビューティ・ファッション系学校の先生に聞いた業界就職最前線】
理美容師は売り手市場が続くも確かな技術とSNS発信スキルが求められる
ビューティ・ファッション
当社では、ビューティ・ファッション系の学科・コースを設置している大学、専門学校などにアンケート調査を実施。就職の現状や就職指導のしかた、業界の展望などの“生の声”を入手しました。就職を取り巻くさまざまな現状について、一緒にみていきましょう。
理容業界は早い回復、美容業界も回復傾向
理容業界はクラシカルなヘアスタイルの流行で技術力が注目され、コロナ禍前の水準まで回復しています。一方、美容業界は自然体の髪型が主流となり、ホームケアが充実した結果回復が遅れていると考えられます。
しかし、美容業界の求人数は増加傾向のままで、売り手市場が続いているといえるでしょう。また、アパレル業界の求人数もコロナ禍前の水準まで回復する勢いがあります。
充実したサポートで学生一人ひとりに合わせた就職支援
就職支援については、下部の表の通り「面接指導」が1位となりました。1位が「面接指導」になったのは22年度以来で、学校側も時勢に即して支援を行っているようです。
早期離職を防ぐため、一人ひとりに合わせたサポート環境を充実させています。1年次から企業研究・職業理解を深め、インターンシップで現場のイメージのマッチングを明確にしてからの就職活動の指導が増えています。コロナ禍を経て定着したオンライン面接の対策も継続している学校が多いです。
【学校に聞いてみました】
Q1.どんな点に力を入れて就職支援を行いましたか?
1.面接指導
2.挨拶・マナー
3.個人面談
Q2.企業が学生に求めるスキルに変化を感じますか?

就職支援の例
●賛助会サロンがあり、学校ガイダンス等を実施しています。(東京マックス美容専門学校)
●入学後すぐに企業研究が始まり、美容業界についての知識を深めます。1年次のインターンシップで現場で働くことの意識付けとなり、実際の現場をイメージしながら本格的な就職活動が行えるようになります。また、コロナの影響で引き続きオンライン面接があるため、その対策指導をしています。就職担当教員が一人ひとりに合わせ相談にのりながら進めていくので、細かい部分までケアができる体制が整っています。(長岡美容専門学校)
●質問の多い履歴書に関して、重点的に指導しています。(中日美容専門学校)
●コロナ禍以前より、学校に登録して頂いたり、求人を頂いているサロン様への就職活動を実施しており、各サロン様に実際に出向いて雇用内容をきちんと理解したうえで取り組むように指導しています。また希望するサロン様のSNSやInstagramなど情報を把握しエントリーを確実に遂行するように指導しています。1、2年通して就職オリエンテーション及び店舗研修インターシップ制度を複数回実施し、学生及びサロン様のマッチングをより明確にする就職活動の結果、離職率が低い状況です。また卒業時には各技術力や挨拶・マナー等を実践的に修得し即戦力として活躍できる教育を行っています。(高津理容美容専門学校)
●遠方の面接はリモートで行っており、学生のカラーに合ったサロンに就職できるように指導しています。(姫路理容美容専門学校)
●学内企業ガイダンスや企業参画でのイベント、卒業生による職業講話を実施しています。就職課と担任とのダブルサポートで就職を斡旋し、履歴書の書き方から面接指導まで細かくサポートします。また、オンラインでの面接対策などを取り入れています。(大村美容ファッション専門学校)
●個々の希望に沿った指導を常に行い、志を持つ人財となるよう「志教育」に力を入れ、学生、企業とのコミュニケーションを大切にしています。(専修学校ビューティーモードカレッジ)
●常勤教員全員が動向を把握し、就職活動が滞ることがないようにしています。ウィズコロナ移行の影響で求人枠は拡大しているので、既存の実績ある就職先だけでなく希望する職種(企業)のリサーチとチャレンジができます。また、まだオンラインでの面接を実施している企業もあるので、コロナ禍で取り組んでいたオンライン面接対策も引き続き行っています。(華服飾専門学校)
●コロナ禍からオンライン選考・面接対策を行っています。また就職担当、専任講師だけでなく多数在籍する非常勤講師からも業界の情報提供や就職指導やアドバイスを受けることができる環境です。(静岡デザイン専門学校)
●早期に就職活動に取り組めるよう、One to One(生徒と教員)で意識付けを行っています。(大阪文化服装学院)
資格や身につけたスキルを活かして職業選択肢の拡大を
変わらず美容師希望が最も多いですが、他の職種を希望する学生も増加しているようです。アイラッシュは需要が高まっており新卒だけでなく、美容師からキャリアチェンジする人も増えています。ビューティーアドバイザー(美容部員)業界は女性比率が高いためライフスタイルの変化に応じた制度が整った企業が多数あります。
また、理容師は理容室の減少・人材不足に反してシェービング技術がブライダル業界などで必要とされています。学校でダブルライセンスコースなどで美容師・理容師の両資格取得ができれば大いに役立つでしょう。勤務先はそれぞれ専門店にこだわらずとも、トータルビューティーサロンや百貨店、小売店、ホテルなど幅広い選択肢があります。
ファッション系は他分野からの求人が増えた学校もあり、活躍の幅を広げる機会が多くなったといえるでしょう。
企業はSNSの発信力に期待、ファッション界は語学力やITスキルも
企業側が、技術力がある前提で+αを学生に求める傾向が更に強くなっています。中でもSNSを使用した情報発信力を持つ、表現力に優れた能力を求められています。学生個人のマーケティング力・タレント性を重視しているといえます。
ファッション業界は変わりつつあり、まずインバウンドの顧客増加、さらには国内の少子高齢化・人口減少を見据え海外展開を拡大・検討する企業も増えています。今後は通訳スタッフなどに適応できるグローバルな人材も求められるかもしれません。
また、ファッションテックの浸透によりエンジニアや工業系の他分野からチャレンジ出来るようになっています。コンピューターなどITスキルは大きな強みとなるでしょう。
長く働くためのワークライフバランスも重視
就職活動に必要な情報収集にインターンシップ・企業説明会は非常に大事な役割を果たしてくれます。さらには、お店で運用しているInstagramなどのSNSで求人情報を発信するケースもあるので、希望の企業を探す手段としてSNSの活用も有効です。
雇用条件に給与や休日、正社員などを重視する学生が増えています。企業は人材確保のための、営業時間短縮の取り組みや定期昇給とは別のベースアップ実施など理容師・美容師の待遇改善を推進しています。プライベートと両立しやすい仕組みを作り、精神的にも働きやすい職場環境の整備を実践している企業もあります。
学生の売り手市場ではありますが、企業が求める人材も多様化していますので、真摯に臨む姿勢が必要なことに変わりはありません。必須である技術・資格取得はもちろんのこと、向上心を持って自分を磨き続けて自己表現できるようになることが大切です。
(出典:当社実施アンケート)
2024年12月19日更新








