自動車の主な職業
SDGsに期待される新しいクルマ業界
「2050年カーボンニュートラル宣言」
CO₂排出を減らし、脱炭素社会の実現を目指す新時代へ
世界中に広がった新型コロナウイルスは、自動車メーカーの生産、販売活動に甚大な影響を及ぼしましたが、ここにきて回復の兆しが見え始めています。2022年の世界の自動車販売台数は前年比1.4%減の8,163万台、自動車生産台数は6.0%増の8,502万台となりました。世界最大の自動車市場である中国の販売台数は2.1%増の2,686万台、生産台数も3.4%増の2,702万台と2年連続で増加しています。販売増加の要因は新エネルギー車(NEV)の販売増で、93.4%増の689万台を記録しました。ただ、いずれもコロナ前の数値にまでは戻っていないので、今後の動向が注目されます。
国内を見てみると、2024年5月にトヨタ自動車が2024年3月期の決算を発表し、営業収益が21.4%増、営業利益が96.4%増、当期利益が101.7%増と、すべてが前期を上回りました。連結販売台数は、国内での販売台数こそ前期に比べて3.7%減でしたが、海外においては10.3%増だったため、トータルでは7.0%増となりました。来期は営業収益46兆円を見込んでいるとのことです。
なお、技術面においてはホンダが、世界に先駆けて高度な自動運転機能「トラフィックジャムパイロット」(渋滞運転機能)を、市販モデルで実用化しています。国土交通省による自動運転の定義によると、これは「レベル3」(条件付き運転自動化)にあたり、制御をドライバーでなくシステムが監視することで、ドライバーは前方を注視する必要がなくなるということです。しかし、現段階ではまだ制限も多いため、各社はさらに高次元な「レベル4」(高度運転自動化)の自動運転の実用化をめざしています。
「2050年カーボンニュートラル宣言」が発表され、CO₂などの温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにする試みが環境省を中心に進められています。また、「夢の燃料」といわれる水素を燃料とするFCVにも一段と注目が集まっていますし、今後も自動車業界の新技術や成長戦略から目を離せません。
お役立ちDATA
初任給例 | 約21.5万円~23.7万円 (厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」) ※大卒/専門卒対象 |
活躍の場 | □自動車メーカー □自動車ディーラー □自動車整備工場 etc. |
関連資格 | ●自動車整備士 ●危険物取扱者 ●CAD利用技術者試験 etc. |