世界に誇る船舶をつくる
どんな仕事?
1隻ごとのオーダーメイド
船は1隻ごとの個別注文であり、1隻ごとに仕様と構造を細かく決めてからつくられます。開発では、安全性や耐久性、速度、安定性などさまざまな要素において研究を積み重ねていきます。最近は、燃料の高騰や温暖化ガス排出削減に対応した、省エネで環境にやさしい船が主流です。模型船をつくってテスト・実験等を行い、時には電機や機械メーカー、製鉄所などと共同開発・研究をすることもあります。船の設計では、まず全体と重要な部分を設計する「基本設計」を行い、その後、船体の各部分ごとに部材の形や加工方法まで細かく設計する「詳細設計」へと続いていきます。実作業においては、CADシステムなどのコンピュータ技術を駆使して設計を行います。発注主の要求に応えながら、仕様を決定して設計します。
つくには?
機械工学やCADの知識を修得
大学や専門学校などで専門教育を受け、造船会社に就職することになります。造船に必要な学問分野としては材料力学、流体力学、熱力学、機械力学等が中心ですが、最近の現場では、ITや化学、環境といった分野の知識も求められています。造船の仕事に必要な資格は、就職後に研修を受け、取得することになります。
適性は?
コミュニケーション力と想像力が必要
ものづくりや機械が好きであることはもちろんですが、コミュニケーション力も必要となります。開発・設計と聞くと、いつも図面に向かっているようなイメージを持ちがちですが、実際は人と話す機会が多い仕事です。船主の要望を聞き、要望に沿った性能とコスト面を両立させるべく、社内の関連部署や機器メーカーなどいろんな人と接しながら仕事を進めていきます。自分の仕事のことだけを考えるのではなく、広い視野と先を見据えた上で、今自分は何をすべきかを考えて行動することが求められます。技術的な面では、物事を3次元でとらえる想像力が重要です。船の完成形をイメージし、頭のなかで立体で組み立てる能力は、図面に線を引いて設計する際に役立ちます。
関連学科
機械工学科、船舶海洋工学科 など
持っていると有利な資格
CADトレース技能審査、CAD利用技術者試験 etc.