知っておきたい!!著作権のお金の流れ
音楽・芸能
みなさんがCDショップでCDを買ったり、ネットを通じて楽しむ音楽はアーティストやミュージシャン、作詞・作曲家たちの創作物であり、創作された楽曲は著作権によって保護されています。楽曲を聴いたり、放送するためには著作権使用料を支払わなければなりません。
1枚のCDが売れると、アーティストには著作権使用料に基づく印税が分配されます。分配額は演奏者と作詞・作曲家、著作権管理者(音楽出版社など)によって異なりますが、アーティストは印税収入によって創作活動を続けることができます。
ここでは、将来音楽の仕事につきたいみなさんに、著作権に関する基本的な知識を紹介しながら、普段聴いている楽曲の著作権やお金の流れについて説明します。
3,000円のCD1枚売れるといくらもらえるの?
~メジャーレーベルの場合(一例)~
1. 原盤印税(12 ~ 16%)
原盤印税とは、CD の原盤を作った制作者(レーベルや原盤制作会社)に支払われる印税のこと。(360円~ 480円)
原盤印税の内訳は、①原盤制作者分②アーティスト分があり、アーティストの取り分は全体の 1%~(30円~)です。また、プロデューサーが印税契約の場合は、この原盤印税から支払われるのが一般的です。
2.著作権使用料(6%)
著作権使用料とは、JASRAC(日本音楽著作権協会・著作権管理事業者のこと)に支払われるお金のこと。(180 円)そこから、音楽出版社・作詞家・作曲家に著作権使用料が分配されます。
ちなみに、音楽出版社とは、楽曲のプロモーションを行っている会社のことで、1曲に対して複数の会社が受け持っていることが多くあります。
3.レーベル分(33 ~ 37%)
レーベル分は、CD 代から他の全てを差し引いた分が支払われます。
そこから、製造費や宣伝販促費、管理費などを引いて残った分が、レーベルの利益になります。
なお、今回の場合はレーベルが原盤を制作していない場合なので、レーベルが原盤を制作した場合はこの部分も変わります。
4. 流通(45%)
ここで言う流通とは、問屋や CD ショップのことです。このうち、小売店である CD ショップの場合、CD1 枚分の利益は価格の 25 ~ 27%(750円~ 810円)になります。
(参照 日本音楽制作者連盟発行「音楽主義」)
2022年12月13日更新