【ビューティ・ファッション系学校の先生に聞いた業界就職最前線】自分に合った進路を選ぶために技術力以外のスキルが求められる
ビューティ・ファッション
当社では、ビューティ・ファッション系の学科・コースを設置している大学、専門学校などにアンケート調査を実施。就職の現状や就職指導のしかた、業界の展望などの“生の声”を入手しました。就職を取り巻くさまざまな現状について、一緒にみていきましょう。
美容業界は市場拡大。アパレル業界も回復傾向
美容業界は競争激化や人手不足、コスト増加といった課題はあるものの、市場規模は拡大傾向にあり、求人数が増加しているという声も多く見られました。特に、美容に興味を持つ男性が増えたことにより、メンズ系サロンに就職を希望する学生が増えており、希望する企業に偏りが出ているようです。
アパレル業界は百貨店や専門店など実店舗の回復も顕著で、ECと実店舗の両面によって支えられています。さらに、円安の影響で国内ではインバウンドの顧客増加、海外展開を視野に入れている企業もあり採用で求められる資質が変化していくことも考えられます。また、求人数も企画系、販売系ともに増加傾向にあり、販売系は求人票提出ではなく媒体活用が一段と増えています。
生徒の個性に合わせた就職支援で早期離職を防ぐ
就職支援については、下部の表にある通り「個人面談」が1位となりました。一昨年も「個人面談」が1位になっており、学校側もその時の就職活動の状況に合わせて、学生一人ひとりを理解したうえで就職支援を行っています。
また、早期離職を防ぐために職業理解にも力を入れており、学校側がアルバイトの斡旋をして生徒に経験を積ませていたり、学内外のイベントを通して現役で働いている方の技術や現状を見ることができるような機会を多く設けていたりしています。生徒を理解し、生徒に業界のことを理解してもらうことで、生徒に合ったサロンに就職できる様に指導しているようです。
【学校に聞いてみました】
Q1.どんな点に力を入れて就職支援を行いましたか?
1.面接指導
2.挨拶・マナー
3.個人面談/職業理解
Q2.企業が学生に求めるスキルに変化を感じますか?

就職支援の例
●美容室アルバイトの斡旋など、美容室で経験をさせることにより離職を減らす取り組みを行っています。(ユニバーサル美容専門学校)
●数年経ちますが、オンラインで求人票が確認できる就職支援システムを導入しています。また、生徒それぞれのニーズに合わせて異なる対応をしています。(国際文化理容美容専門学校渋谷校/国分寺校)
●マナー・面接講習、校内ガイダンス、サロン実習などを行っています。(東京マックス美容専門学校)
●外部の就職系イベントに積極的に参加し、就職意識の啓蒙に努めています。また、美容関連の団体とコラボレーションしたイベントを授業にて行い、就職意欲の向上や将来設計の組み立て方などを指導しています。(町田美容専門学校)
●入学後すぐに企業研究が始まり、1年次のうちから美容業界についての知識を深めています。そして、1年次にインターンシップを行い、現場で働くことの意識づけを行っています。インターンシップ実施後、本格的な就職活動を行うため実際の現場をイメージしながら就職活動を行えます。また、外部の方による講義を昨年より増やしました。さらに、就職担当教員が一人ひとりに合わせ相談にのりながら進めていくので、細かい部分までケアできています。(長岡美容専門学校)
●入学後すぐに東京で行われる美容学生向けの大型就職イベントに参加をしたり、美容マネージメント会社を通して美容の講義と就職の講義を織り交ぜた内容の授業を開催したりしました。また、就職後の離職を防ぎ、長く働いてもらうため、現役の美容師の技術や現状を見たり聞いたりできるような機会を多く設けています。県内のみでなく、首都圏からの講師もお招きすることで、様々な選択肢を学生に提供できるよう努めています。(静岡デザイン専門学校)
●履歴書指導や自己分析を中心にしています。(中日美容専門学校)
●就職希望の方へは就職出来るまで支援をしています。完全就職保証制度採用。(京都理容美容専修学校)
●就活を1年次の2学期から始めようと思っています。また、学生のカラーに合ったサロンに就職できる様に指導しています。(姫路理容美容専門学校)
●校内企業ガイダンスや企業参画でのイベント実施、就職課と担任とのダブルサポートで就職を斡旋、履歴書の書き方から面接指導まで細かくサポートと指導を行っています。特に校内企業ガイダンス、卒業生による職業講話に力を入れています。(大村美容ファッション専門学校)
●センスアップセミナー等を導入、学内外の企業説明会を積極的に実施しています。(専修学校ビューティーモードカレッジ)
●既存の実績ある就職先だけでなく希望する職種(企業)のリサーチとチャレンジを行っています。また、まだオンラインでの面接を行っている企業もあるので、コロナ禍で行っていたオンライン面接対策も継続しています。さらに、常勤教員全員が動向を把握して活動が滞ることがないようにしています。(華服飾専門学校)
●早期取組と個別指導を徹底します。また、実務を学ぶためのインターンシップの強化を全学科で実施します。(ヴォートレイル ファッション アカデミー※2026年4月 大阪文化服装学院より校名変更予定)
選択の幅を広げてひとつの道にこだわらない進路を
美容師の求人も変わらず増加傾向にありますが、美容師免許を取得しアイリストの道へ行く生徒も増加しています。アイラッシュ関連の求人も増え、“ヘア一辺倒”ではなくなってきていると言えます。学校側でも美容師国家資格を取得できる学科を新設しており、採用担当者が感度よく学科新設を調べて、企業側からアプローチすることも多いようです。
ファッション関係の専門学校は、就職状況が良くなっているという意見がある一方で、留学や進学を希望する生徒や自分のファッションスタイルに合致するブランドを選ぶなどのこだわりを持つ生徒が増加しており、進路選択の幅が広くなったといえるでしょう。
技術以外のスキルが求められる時代に
企業側が学生に求める技術や資格等にそれほど変化はありませんが、技術力以外のスキルが求められる傾向が強くなっています。特に発信力や将来のビジョンについて重要視されているように学校側も感じています。さらに、お客様と接するうえではコミュニケーション力も大切であるため、そういったところも企業側がチェックしているポイントであり、求める人材の質を高めたいと考えているのではないでしょうか。
アパレル業界でも、ファッション関連だけでなくweb関連の技術を求める企業やSNSに強い学生を求める企業が増えてきており、表現力がより重視されています。また、販売系は正社員とアルバイト募集の双方での募集が目立つとのことです。
将来像や働き方を踏まえて
企業側の流れには遅れずに乗る
美容業界やファッション業界でも仕事とプライベートを両立させられるように、ワークライフバランスを重視して就職先を決める流れがあるようです。ここ数年で基本賃金は数千円から数万円上昇しており、大手の企業だから関心を持つというよりは、有給休暇や育児休暇などの働きやすい環境が整っていることが大切で、そういったサロンも増加しています。
また、就職活動の動き出しは徐々に早まっており、サロン側の説明会や選考などの時期が早くなっていると感じている学校もありました。早い段階から自分が将来的にどうなりたいかを考え、学校の就職支援を利用して納得できる進路を見つけて進むことが大切です。
(出典:当社実施アンケート)
2025年10月27日更新








