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【業界就職最前線】美容は売り手市場が続く オンライン対策とSNSスキルが必須に

ビューティ・ファッション

当社では、ビューティ・ファッション系の学科・コースを設置している大学、専門学校などにアンケート調査を実施。就職の現状や就職指導のしかた、業界の展望などの“生の声”を入手しました。就職を取り巻くさまざまな現状について、一緒にみていきましょう。

コロナ禍でも美容業界の求人状況は変わらずアイラッシュ人気も続く

 美容業界の求人や就職状況について、化粧品業界で一部求人が減少したほかは、例年通り売り手が続いているとの回答が大半を占めました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う休業要請の対象ではなかったことが大きな要因と思われます。就職先については「より地元志向が強くなりました」(パリ総合美容専門学校 千葉校)など地元への希望者が増えたという回答も目立ちました。アイラッシュ業界を志す学生も年々増加しているようで、「アイラッシュサロン業界が盛んになってきたと思います」(ユニバーサルビューティーカレッジ)という声も昨年に引き続き多く聞かれました。また、エステ・ネイル業界に関しては、概ね例年通りという回答が大半を占めました。
 美容師の就職状況が好調な一方、化粧品業界とファッション業界にはコロナ禍の影響が大きく、就職状況は二極化しているといえます。

就職指導は面接と個人面談に注力しオンライン面接に対応

 就職指導については、下部の「Q1.どんな点に力を入れて就職支援を行いましたか?」にある通り、学校が最も力を入れているのは、「面接指導」と「個人面談」という結果になりました。ちなみに昨年一位だった「挨拶・マナー」は4位でした。これは、決して挨拶・マナーが必要なくなったわけではありません。むしろ、コロナ禍で不安を持つ学生が増えたという回答があった通り、学生との面談を例年より丁寧に行っている学校が多いようです。また、面接指導が1位だったのも、オンライン選考に備える必要があるためでしょう。コロナ禍で就職指導のかたちも変化しているようです。

発信力が就活でも問われるSNSスキルは必須

 企業が学生に求めるものについて、昨年から「SNS力」が問われるとの声が聞かれましたが、今年はさらにその傾向が強まっているようです。「学生のSNSをチェックする企業が増加しています」(ジェイ ヘアメイク美容専門学校)、「有名サロンは学生にInstagramの活用などセルフブランディングを求めるようになりました」(学校法人ロイヤル学園)、「Instagramのアカウントを履歴書に記載する美容室が増えてきました」(ユニバーサルビューティーカレッジ)、「SNSをチェックされる企業が増えてきています。スタイルブックの提出も当たり前のようになっているので、さらなるアピールポイントが必要になっていくと思います」(中日美容専門学校) 、「ECへの対応力、パソコン・SNSの取り扱い能力が以前から求められていたが、コロナ禍で加速しています」(小井手ファッションビューティ専門学校)。InstagramなどのSNS運営は今やビューティ・ファッション業界にとっては必須スキルですので、学生のうちから発信力を磨く必要がありそうです。

新型コロナウイルスで就職はどう変わる?オンラインでの就職活動へ変化

 新型コロナウイルス感染症の影響としては、地元サロンへの就職を希望する傾向が強まったとの回答が目立ちました。採用活動に関しても、「インスタライブを利用した会社説明会、オンラインにおける選考が増えました」(学校法人ロイヤル学園)、「地方からの企業見学・面接に際して、リモートでの対応が主要となってきました」(青森県ビューティー&メディカル専門学校)などオンラインでの対応に移行しているようです。ファッション業界では、「オンライン販売に向けた人材獲得に積極的な起業も出てきています」(専門学校武蔵野ファッションカレッジ)、「ECサイトなどを活用したインターネット業務に携われるようなPCスキルを持った学生の採用が増加すると予想されます」(文化服装学院)といった声が届きました。
 オンラインでの就職活動に対応するため、各学校ではオンライン面接への対策など、新しい就職指導に取り組んでいる模様です。オンラインでの就職活動は、特別な対策が必要となる一方、地方から都心のサロンへの就職活動は従来よりコストを抑えることが可能で、ある意味チャンスと捉えることもできます。接客という業務上、新型コロナウイルス感染症終息後は、オンライン採用は減っていくかも知れませんが、オンライン・対面どちらでも対応できるように対策しておくと良いでしょう。

学校に聞いてみました

Q1.どんな点に力を入れて就職支援を行いましたか?
1.面接指導、個人面談
3.職業理解
4.挨拶・マナー、企業説明会の実施
5.資格取得
6.技術修得

就職支援の例
●学生の個性を知る担任が就職のアドバイスをします。また、校内で実施する就職ガイダンスには250社(2021年実績)、例年は約400社(2019年実績)が参加し、学生と直接話ができる機会を設けています。(国際文化理容美容専門学校渋谷校/国分寺校)
●倍率の高い就職先への先輩内定者の情報開示や、早めの面接練習、入学した月(1年生)から外部の就職イベントに全員参加など、在学2年間で早めの意識の定着を行っています。校内ガイダンスは在学時に2回行い、招致しているサロン様は全てが社会保障完備等の優良企業様です。(パリ総合美容専門学校 千葉校)
●毎週のガイダンス。Instagramのブランディングなど。(ユニバーサルビューティーカレッジ)
●より自身にあった就職先を選べるよう、複数社内定獲得となるよう指導をしております。 (学校法人ロイヤル学園)
●一部の求人を除いて内定率は高いので、離職率を抑えるためのマインド教育・アフターフォローに力を入れました。(ジェイ ヘアメイク美容専門学校)
●産学連携就職情報交換事業に取り組んでいます。校内で、企業による合同説明会を開催しています。(衛生面に特に気を付けて実施。ソーシャルディスタンス、マスク及びフェイスシールドの着用徹底など)(京都理容美容専修学校)
●インターンシップによりサロン業務の実際を理解させ、サロン理解を深めたうえでミスマッチのないサロン選びにつなげています。 (名古屋ビューティー専門学校)
●ファッション業界での人事・採用経験を持つキャリアアドバイザーを雇用し、より専門に特化した学生相談や面接指導を行っています。また早期から学生の就職意識を醸成できるようキャリア教育を導入し、業界人による講義や就職に関する基本情報を取り入れた授業を実施しています。さらに、職業理解及び企業理解を図るため、繊研新聞社の協力を得て就職ガイダンスや合同企業研究会を実施しています。(文化服装学院)
●アパレル系への就職にはエントリー用にコーディネート写真や全身写真が必要な為、各ディレクターやプロカメラマンが撮影に協力しました。企画職系にはポートフォリオ作成や、パタンナー希望の学生にはパターン指導等に教科担当講師が協力しました。(小井手ファッションビューティ専門学校)
●まず、「現場ありき」で企業実習を中心に指導しています。(大阪文化服装学院)
●学生一人ひとりに面談時間を十分とり、個別にアドバイスしていくことに力を入れている。(専門学校武蔵野ファッションカレッジ)

Q2.企業が学生に求めるスキルに変化を感じますか?
企業が学生に求めるスキルに変化を感じますか?

気になる今後の就職動向
美容サロンは労働環境の面にも目を向けて

 今後の就職動向について美容業界では、「学生の志向は安定志向が更に強まり、地元や大手希望者が増加すると感じます」(ジェイ ヘアメイク美容専門学校)という声が聞かれました。
 募集の時期については昨年同様「年々募集時期が早くなっています」(中日美容専門学校)、「就活の早期化が進むのではないかと考えられます」(アイ エステティック専門学校)という声がある通り、その傾向はより強くなっていくでしょう。
 また、美容室の働き方にも変化があるようで「週休2日制と3日制を選択できるサロンも出てきています」(京都理容美容専修学校)といった声や、「売り手市場では、サロンの求人需要に応じきれていない状況が続くこともあり、企業側の条件(給与・休日・社会保障)がより高条件になっていくと思われます」(ル・トーア東亜美容専門学校)、「各サロンに求められることは仕事とプライベートのメリハリをつけ、若い世代がモチベーションを維持できる教育内容や雇用条件に変化していくことです。すでに変化している企業も多くありますが、業界全体で変わる必要を感じます」(国際文化理容美容専門学校渋谷校/国分寺校) という声が聞かれ、学生・サロンともに、労働環境に今までより目を向けていく必要がありそうです。
 ファッション業界では、新型コロナウイルス感染症が落ち着いてもしばらくは厳しい就職状況が続くとみる声が多く「学生は職種を絞り込みすぎず、幅広く就職活動をすすめる必要があると考えられます」(文化服装学院)とあるように、より柔軟に対応していく必要がありそうです。

学校に聞いてみました

Q1.新型コロナウイルスの感染症の影響で、業界の就職動向に変化を感じますか?
新型コロナウイルスの感染症の影響で、
業界の就職動向に変化を感じますか?

コロナ禍での就職指導の取り組み
●密にならないよう個別で(1社型)校内ガイダンスを実施しています。 (ユニバーサルビューティーカレッジ)
●オンラインでの就職説明会や、パーテーションやフェイスシールド、手袋をしてのガイダンス参加の実施。学生に対しては早めの情報収集や出歩く際の注意点の促しを行っています。(パリ総合美容専門学校 千葉校)
●関東エリアを中心に募集時期に変化があり、該当エリアを希望する学生に対しては速やかな情報提供に努めた。また例年対面式で実施にしている学内催事「リクルートギャザリング」を非対面式の資料収集会に切り替えました。(ル・トーア東亜美容専門学校)
●企業に対して、オンラインで就職活動ができるように依頼しました。(インスタライブ会社説明会やZoom面接など)(学校法人ロイヤル学園)
●求人数が落ちてしまった化粧品業界は特に美容業界内での他職種も調べエントリーするように指導しています。(アイ エステティック専門学校)
●リモートでの対応が多くなったため、パソコン等のリモート環境に対応した設備を整えました。(青森県ビューティー&メディカル専門学校)
●店舗見学に行けなかった為Zoomなどで対応した。(八戸理容美容専門学校)
●例年より活動の開始を2〜3ヶ月前倒しにしました。またオンライン対策を取り入れました。(ジェイ ヘアメイク美容専門学校)
●衛生面に特に気を付けるよう指導しました。(京都理容美容専修学校)
●履歴書やオンライン面接でのアピールについて例年より指導しました。また学生が在宅でも質問しやすい環境を整えました。 (中日美容専門学校)
●学内就職説明会を複数日にわけ、分散型でサロンごとに実施しました。 (名古屋ビューティー専門学校)
●オンラインでの説明会、面接への対応(オンライン環境やパソコン、面接専用教室の貸与など)。オンラインの場合第一印象の作り方が重要になるため、その事前準備など。雇用人数の縮小があったため採用試験で勝ち残るために人間性の教育をそれまで以上に重視しました。また、SNSでの採用試験スケジュール、会社説明会の情報収集を行いました。(国際文化理容美容専門学校渋谷校/国分寺校)
●オンライン授業の増改に伴い登校できない学生のために、メールや電話による就職相談、履歴書・エントリーシート添削を行っています。さらにオンライン説明会への参加や面接選考に対応できるよう設備を整えました。(文化服装学院)
●早めに就職活動をスタートするよう指導を強化。求人が少ない状況もあり苦戦しているが、いつでも企業受験ができるよう準備させています。(専門学校武蔵野ファッションカレッジ)
●悪い中でも業績維持をしている中堅企業・ブランドを中心に動いていくよう指導しています。(大阪文化服装学院)

(出典:当社実施アンケート)

2022年2月10日更新

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