【語学・ホテル・ブライダル系学校の先生に聞いた業界就職最前線】
インバウンド需要回復で求人数増加。観光、ホテル、航空、ブライダルと好調
ホテル・ブライダル・トラベル・エアライン・国際関係・公務員
当社では、語学・ホテル・ブライダル・トラベル・エアライン系の学科・コースを設置している短大、専門学校などにアンケート調査を実施。就職の現状や就職指導のしかた、業界の展望などの“生の声”を入手しました。就職を取り巻くさまざまな現状について、一緒にみていきましょう。
企業が学生に求める能力に「積極性」「語学力」
就職状況は「良くなった」「変化なし」で二分
当社はホテル・ブライダル・トラベル・エアライン系の学校に対し、2024年5月~6月に就職・求人状況に関するアンケート調査を行いました。その結果、今年度寄せられた企業や関連施設の求人数について「昨年度より増加した」という回答が圧倒的多数を占めました。また、令和6年4月の就職状況に関する質問についても、例年に比べ「良くなった」「変わらない」という回答で二分しました。
それ以外の設問に対する回答も踏まえて傾向を読み解くと、各業界はコロナ禍の収束ムードによってインバウンド需要が回復し、観光・ホテル業界を中心に求人が増加傾向にあります。この傾向はまだ続きそうです。また、企業側が学生に求める能力には「積極性」「語学力」などが挙がっているようです。
以下、学校ごとにコメントの一部を紹介します。(それぞれの内容は、複数の質問に対する回答を編集部で学校ごとにまとめたものです)
●「観光需要の回復により、ホテルや航空業界などの求人が増加傾向。就職状況も良好で、ブライダル業界なども好調。また企業側は学生に、コミュニケーション能力以外にも『積極性』を求めていると感じる」(埼玉女子短期大学)
●「求人、内定ともに増。ホスピタリティ業界は新卒求人が今後ますます伸びると予想。業界のテクノロジー化に対応できる能力などが求められる。また、インバウンド需要から語学力も必要不可欠」(東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校)
●「ホテルや観光系の求人は増加傾向。就職状況は、ほとんどの学生が内定する状況を維持。ただ、就職活動の早期化への対応はより重要性を増している。企業からは、自分から積極的に動ける学生が高評価の印象。鉄道系では技術職への需要が高まり、積極的に学生を求めているように感じる。観光系でもインバウンドへの対応で求人需要が高まると予想」(専門学校日本鉄道&スポーツビジネスカレッジ)
●「航空・観光系企業の求人難を背景に、観光人材を求める企業の幅が広がった。就職面は、希望者全員就職の状況を堅持している。来年度は求人応募数の減少から、通年採用実施の企業数がさらに増加と予想」( 国際外語・観光・エアライン専門学校)
●「インバウンド増加によるホテル業界の求人が増加。さらに外国語を話せる学生なら、より優良企業への内定獲得ができると思う」(大原トラベル・ホテル・ブライダル専門学校浜松校)
【学校に聞いてみました】
Q1.どんな点に力を入れて就職支援を行いましたか?
1.面接指導
2.挨拶・マナー
3.個人面談
●希望者全員参加できる現場体験型インターンシップの実施/個別指導を徹底し、一人一人丁寧なカウンセリングの実施/マナー・ホスピタリティ教育で社会人基礎力を養成/就職実績のある企業、病院の学内合同説明会の実施。 (埼玉女子短期大学)
●900社超の企業を招いた合同企業説明会をキャンパス内で開催。 ( 日本工学院専門学校)
●履歴書から面接の指導までの手厚いフォローに加え、一人ひとりの状況にあわせた就職相談を実施。(専門学校日本鉄道&スポーツビジネスカレッジ)
●オンライン企業説明会を多数実施、就職相談会の定例実施、社会保険労務士や弁護士を講師とした労働法の授業展開。( 国際外語・観光・エアライン専門学校)
●国家資格取得による専門知識習得とともに、校内実習ののち1か月間のホテルインターンシップと、最後に結婚式場での模擬ブライダルを実施。卒業後の転職や再就職の斡旋等のサポートも実施。( 大原トラベル・ホテル・ブライダル専門学校浜松校)
ホテル・ブライダル・トラベル・エアライン業界
コロナ禍を経て就職に変化は?
コロナ禍の影響で取り入れ、今も継続している取り組みは?
就職指導の取り組みについて、コロナ禍の影響で始め現在も継続しているものも含めて尋ねたところ、「オンライン面接への指導」を中心に、さまざまな回答がみられました。
各校の具体的な回答は以下の通りです。
●「一人一人に合わせた個別指導を徹底。コロナ禍での取り組みとして、オンライン面談やWEB面接の練習を取り入れている。またPR動画を取り入れる企業も増え、その指導も行っている」(埼玉女子短期大学)
●「オンライン面接用ブースを用意し、対面・オンラインそれぞれに合わせた面接指導をしている」(東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校)
●「オンラインで面接を実施する企業が出ているので、その対策などを指導している」(日本工学院専門学校)
●「民間就職ポータルサイトでの求人情報の掲載、就職状況の把握、オンライン面接への指導対応等」(専門学校日本鉄道&スポーツビジネスカレッジ)
●「首都圏等に出向くことを敬遠する動きがあったため、校内でのオンライン企業説明会を数多く実施して、効果をあげている」(国際外語・観光・エアライン専門学校)
●「遠方の企業などはオンライン面接が主流」( 大原トラベル・ホテル・ブライダル専門学校浜松校)
●「オンライン面接指導等」(専門学校那覇日経ビジネス)
【学校に聞いてみました】
Q1.ここ数年のコロナ禍の影響で、現在の業界の就職動向に変化はありましたか?
Q2.現在、就職の現場はどの程度、コロナ禍以前の状態に戻っていると感じられますか?
(出典:当社実施アンケート)
2025年1月28日更新