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建設技能者の処遇改善へ。英国式「ジョブ型賃金」の導入

建設技能者の処遇改善へ。英国式「ジョブ型賃金」の導入

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 建設業界では、とび職や型枠工など専門技能者の賃金体系に、英国を参考にした「職種別ジョブ型モデル」を取り入れて処遇を改善しようという動きが見られます。国土交通省は、技能者128万人が登録する官民組織の就労データをもとに、32職種の「レベル別年収」モデルを公表しました。32の専門職種の一例を挙げると、電気工事、橋梁、造園、コンクリート圧送、防水施工、トンネル、建設塗装、左官などです。32の専門職種それぞれについて、見習いなど初級技能者をレベル1、中堅層をレベル2、職長級をレベル3、高度なマネジメント能力を兼ね備える最上層をレベル4と4段階に分け、各レベルごとに上・中・下位の年収モデルを具体的に示しています。たとえば、電気工事の技能者であれば、レベル1中位の年収は425万円。レベル2中位は503万円。レベル3が中位は588万円。レベル4で中位は625万円となっています。橋梁の技能者を見ると、レベル1中位の年収は607万円。レベル2中位は699万円。レベル3が中位は783万円。レベル4で中位は857万円です。こうした年収モデルを設けることで、企業間での賃金格差も縮小し、専門技能に応じた報酬を受け取ることができるようになると考えられます。国土交通省は、この制度を普及させるべく新法制を審議会で検討しています。これらの試みは、日本の専門職労働市場の未来をとって非常に重要なものとなると考えられます。

参考:日本経済新聞

2024年1月22日更新

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