ロボット業界のスペシャリストに聞きました

株式会社センシンロボティクス
ソリューショングループ
髙瀬悠介さん

たかせ ゆうすけ▶東北大学大学院を修了後、産業用ロボットメーカーでの仕事を経て、2021年に株式会社センシンロボティクスに入社。現在は、自律飛行ドローンのソフトウェア開発担当として活躍中。

大学時代からの学びを積み重ねロボットが自動で出来ることを広げています

―現在の職業を選ばれた理由は何ですか?

 高校生の時からロボットに興味があり、ロボット工学を扱う大学の学部に入学したことがきっかけです。さらに、入学後に「NHK学生ロボコン」の出場を目指すサークルがあることを知り、入ったこともきっかけの1つとなったと思います。サークルではチーム体制でロボットの制作をしていました。回路を組んだり、プログラミングをしたりといった役割を担うことが多かったです。大学での学びとサークル活動でロボットに触れる日々を経て、自然とロボット開発の仕事に就きたいと思うようになりました。大学時代に得た、ロボット制作の知識やチームでの制作経験は、現在の仕事にもつながっていると感じます。

―現在の仕事の内容を教えてください。

 ドローンの自律制御をするソフトウェアの開発を行っています。ドローンというと、コントローラーで操作するものを思い浮かべると思います。ただ、私の仕事はコントローラーで操作をせずとも、ドローンが離陸して任務をこなし、着陸するまで動くようにすることです。自律制御が出来るようになると、今までは人間がしていた点検作業をドローンで自動化することが出来、安全性の向上や時間短縮といったメリットが生じます。
 現在はトンネル内の巡視作業をドローンで自動化するプロジェクトに関わっています。プロジェクトでは、アップデートのためのさまざまな作業の繰り返しが大切になってきます。そのため、ソフトウェア開発ではプログラミングだけでなく、試験場でドローンを動かしてみたり、現場を訪れて実際に走行させてみたり、上手く動かない場合は調整を行ったりするなどの作業も重要です。こうしたさまざまな作業を通して、より良いシステムへと育てていくことが私の仕事です。

写真1

―仕事のやりがいをどんな時に感じますか。

 私には、“人間にしか出来ない作業”をロボットで自動化したいという思いがあります。そのため、自動化に関わることの出来る現在の仕事にやりがいを感じています。
 前職では、工場で活躍するようなアームロボットのソフトウェア開発を行っていました。しかし、ドローンのような成長分野の技術に関わりたいという思いから、現在の会社に転職を決めました。今は成長産業であるドローンのソフトウェア開発に関わり、技術を発展させていくことがとても楽しく感じています。これからも多くのプロジェクトに携わり、人間にしか出来なかった作業をロボットで自動化出来るよう取り組んでいきたいです。

写真2
トンネル切羽の無人点検の様子:
飛行制御に最新の技術を用い、GPSの電波が届かない環境かつ暗所のトンネル坑内でも安全で安定した自律飛行が可能。

ロボット業界をめざす高校生へのメッセージ

興味を持ったことに対して能動的に動こう!
ロボティクス技術に関しては特に資格などはありません。私自身、今までの経験が現在の仕事につながっていると感じます。高校生の時は自分が何に興味があるのか、どんな職業に就きたいのかあいまいな部分もあると思います。しかし、自分の興味を突き詰めて能動的に様々な経験をすることが将来につながっていくと思います。

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