日本航空株式会社
ボーイング 787 型機 副操縦士
兼 運航企画部 リソース戦略グループ
補佐役 副操縦士
黒川 健吾さん

くろかわ けんご▶高校卒業後、4年制大学の社会科学部に入学。大学卒業後、日本航空株式会社に運航乗務員訓練生(自社養成パイロット)として入社。現在はボーイング787型機の副操縦士として乗務するほか、採用活動にも携わり、説明会やインターンシップでパイロットの仕事を紹介するとともに、模擬フライトワークを行い、業務の理解の促進に取り組んでいる。
一つの仕事を極めるパイロットに憧れて大空へ
入念な準備と確認が安全なフライトを生み出す
パイロットの職人気質な姿勢に惹かれて
現在はボーイング787型機の副操縦士として、主に国際線に乗務しています。パイロットになろうと思ったきっかけは、子どものころから漠然と「パイロットってかっこいいな」と憧れていたことです。ただ、その当時は自分が本当にパイロットになれるとは思っていませんでした。
転機になったのは大学時代の就職活動です。私は文系出身で、視力にも不安がありましたが、航空会社には未経験者を採用し、一から訓練を行う「自社養成パイロット」という制度があることを知りました。
その後、就職活動を通してパイロットの方々と接する中で、一つの仕事を極めようとする職人気質な姿勢に強く惹かれました。私もそんなパイロットになりたいと思うようになり、この仕事を志しました。

フライト前の入念な準備とチームワーク
パイロットの仕事は飛行機を操縦するだけではありません。フライト前にはさまざまな準備を行い、安全な運航に備えています。初めて訪れる空港へ向かう際には、空港のレイアウトや着陸時の進入方式などを事前に学び、その空港の特徴を把握します。また、フライト前日には気象状況や航空情報を確認します。空港設備の一部が使用できない場合などもあるため、こうした情報を集めながら飛行計画を立てていきます。
当日は空港に到着すると、まず機長と打ち合わせを行います。天候や航空情報を確認しながら、その日のフライトの流れや注意点を共有します。その後、客室乗務員とも揺れが予想される場所や運航上のポイントについてブリーフィングを実施。関係者全員が情報を共有した上で飛行機に乗り込みます。
実際の運航では、機長や客室乗務員、航空管制官など、多くの人と協力しながら安全なフライトを実現していきます。ボーイング787型機は所属する運航乗務員の数が多いため、乗務時に初めて顔を合わせる機長がほとんどです。なお、客室乗務員も同様です。そのため、短時間で信頼関係を築き、円滑にコミュニケーションを取ることが重要になります。毎回異なるメンバーと協力してフライトを行う難しさはありますが、それもこの仕事の面白さの一つだと感じています。

安全第一を貫きお客さまの笑顔を守る
安全運航のために最も大切にしているのは、少しでも疑問に思ったら、そのままにしないことです。フライトが続く日や遅延が発生した際には、時間に追われる場面もあります。しかし、「これで大丈夫だろう」と判断せず、少しでも不安を感じたら、たとえ時間が掛かっても、必ず立ち止まって確認するように心掛けています。その積み重ねが、安全な空の旅を支えることにつながると考えています。
パイロットの仕事は、お客さまを安全に目的地までお届けすることが当たり前とされています。そのため、直接感謝の言葉をいただく機会は多くありません。しかし、天候が悪い日などに、機長や航空管制官をはじめ、多くの関係者と協力しながら安全に運航を終え、お客さまが笑顔で飛行機を降りていく姿を見ると、大きなやりがいを感じます。
両親を乗せた思い出の初フライト
これまでで最も印象に残っているのは、副操縦士としてお客さまを乗せた最初のフライトです。ボーイング737型機で長崎空港へ向かったその便には、私の両親も搭乗していました。パイロットになるまで多くの支えを受けてきた両親に、自分が操縦する飛行機に乗ってもらえたことは、私にとって特別な経験になりました。

