在宅救急センター
救急救命士 宇都宮 進航さん
救急救命士 佐伯 龍夜さん
救急救命士 武田 悠成さん

うつのみや しんご(中)▶帝京平成大学卒業後、自衛隊と救急病院を経て2020年、在宅救急センターに就職。
さえき りゅうや(左)▶大原簿記専門学校卒業後、2024年に在宅救急センターに就職。
たけだ ゆうせい(右)▶国士舘大学卒業後、2024年に在宅救急センターに就職。
在宅医療における救急救命士は、時に
患者様のお見送りをお手伝いする仕事です
急を要する患者宅にドクターと往診
宇都宮 私たちの仕事は、体調の急変した患者様のもとにかけつける「緊急往診」チームの運営です。出社後、前日に電話があった患者様や、往診した方の状態を確認し、必要に応じて患者様のご自宅にドクターと向かい、医療行為をします。緊急携帯に入電がくることもありますので、そのつど対応をして往診を調整します。 日勤は9時から18時まで、夜勤は15時半から翌朝9時半までです。
出動がないときはセンターで待機しながら、実際に患者様が遭ったトラブルや、患者様の対応が困難だったケースなどを想定したシミュレーションを行っています。

在宅救急センターカー(緊急車)。専用ルートで日々緊急往診対応をしています。
「頑張ったね」と、お看取りをすること
宇都宮 かつて往診していた、当時50代のある患者様がいらっしゃいました。その方の奥様も旦那様を一生懸命介護されていましたが、ある日、その奥様から「主人の様子が変です」と電話が来て、往診時にはすでに呼吸が停止している状況でした。その時の、奥様の旦那様に対する一声一声の声かけが、今も印象に残っています。
佐伯 お看取り自体は悲しいことなんですが、実際にそういう場面になった際、泣き崩れてしまうよりも、よく頑張ったねってご家族が患者様にお声がけされているところを見ると、在宅で患者様の最期をお看取りすることは素敵なことだと思います。ご家族が、納得のいく形で受け取られているんだと感じます。
限られた時間でトリアージする難しさ
佐伯 ご家族や患者様から一番初めに連絡が来るのは私たちなので、カルテの内容を確認しながら、ドクターが何を聞いてほしいか、求めているものが何か考えながら情報聴取する必要があります。患者様たちのお声だけ聞いて頭の中で想像しながら向こうの状況を把握するという行為の大変さは、いくら勉強しても足りないと感じています。
武田 自分も電話を受けた時、瞬時に患者様たちのトリアージ(※)レベルを判断することが特に難しく感じています。患者様の一刻も早く来てほしい気持ちも分かる中、限られた時間で優先順位を決めなくてはならず、往診まで時間がかかってしまった時は、もっと早く行けなかったのか、と何度も葛藤しました。
※トリアージ…要救護者が複数いる場合、その状態を段階付けし、緊急度や重症度の高い対象から優先して治療を行うための区分。
救急救命士として、働けてよかったと思う時
宇都宮 在宅救命士として私が一番やりがいを感じるのは、お看取りに携わる時です。患者様を診ている状態で、最期にご自宅で、患者様のお望みのままご自宅でお看取りができるということは、大切な仕事だと思います。
救命士という仕事はまず命を救うというのが第一ですが、在宅医療における救急救命士は、時に患者様をしっかりお見送りすることをお手伝いする仕事でもあり、そこに私は、強い使命感を覚えます。
武田 自分も患者様に最期まで寄り添える仕事をしたいと思ってこの職を選んだので、お一人おひとりを最期までサポートして、ご家族からありがとうございますと言葉をいただけた時は、ぐっときます。
佐伯 もちろん、患者様が後に退院されて、またお会いできる時もあります。「一期一会」だけじゃなく、一度診た患者様がお元気にされている姿を見られた時も、ここで働けてよかったなと心から思います。
