超高齢化社会で調理師が果たす役割とは?

フード
日経MJによると、2018年の日本の飲食業総売り上げランキングでは1~4位がそれぞれ「ゼンショーホールディングス」「すかいらーくホールディングス」「日本マクドナルドホールディングス」「日清医療食品」でした。1~3位はいずれも、居酒屋・ファミリーレストラン・ファーストフードの超大手。しかし、4位には意外な企業がランクインしています。
- 医療・介護食の改善が進んでいる
- 高齢者の生活の質を上げるには?
- 咀嚼・嚥下能力など、高齢者ならではの課題も
飲食業界4位の以外な会社とは?
実は「日清医療食品」こそ、医療・介護の分野で食事を提供する業界のトップランナーです。数ある有名な飲食系企業の中で、医療・介護食の企業が非常に大きな売り上げを占めているのです。
飲食業界と言えば、素材・味・食感など、基本的には健康な人の感覚がベースになっています。かつて病院や介護の現場で提供される食事などは「薄味」「物足りない食感」など、あまりおいしくないものの代名詞でした。
病院や介護食を素晴らしいものにするための努力
しかし超高齢化社会を迎え、高齢者のQOL(生活の質)に対するニーズは高まっています。高齢者になると、毎日の生活の中でメリハリをつけていく必要があります。楽しみや刺激が減れば、活動に制限が出たり、認知症につながったりします。つまり、高齢者医療・介護にこそ、おいしくて質の良く、栄養バランスが取れた食事が大切な時代となっているのです。
ただ高齢者の食事には、おいしさと栄養バランスの他、免疫力が低下していることから、より高いレベルの「食品衛生」の基準が必須です。また「咀嚼・嚥下能力」と「食感」の両立も必要です。料理の質と安全性を両立させるには、これまで求められていた調理のスキルだけでなく、福祉や介護に対する幅広い知見が必要で、今後はそうした人材に対するニーズが飛躍的に高まることが予想されているのです。
(参考:日清医療食品公式HPほか)
2020年6月23日更新