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終活産業が急成長! 昔ながらの「葬祭業」が変貌を遂げた理由とは?

終活産業が急成長! 昔ながらの「葬祭業」が変貌を遂げた理由とは?

ホテル・ブライダル・トラベル・エアライン・国際関係・公務員

ここ10年ほどの間、 「終活」という言葉が一般的になってきました。背景には「超高齢化社会」「少子化」「未婚率増」があります。60歳で定年を迎えれば、寿命とされる年齢までは20-30年。一方、少子化や未婚率増の影響で、その子の世代の負担も多くなりました。必然的に独居老人や老夫婦の世帯も増え、生前に身の回りの整理をしておく必要がでてきました。さらに、「ネット銀行」「仮想通貨」「eトレード」など、本人しかわからない財産も増えています。人生の終幕に向けて準備をするニーズに対し、それに応える「終活産業」が急成長しています。

  1. 葬儀にかかる費用は少しでも抑え、簡素化したい消費者
  2. Webで業者と消費者をつなぐサービスが成功したが、客単価自体が下落傾向
  3. デジタル遺産の整理が、次のマーケットになる

仏教関係の出版社が、Webサービスに進出

鎌倉新書はもともと仏教関係の出版社。現在も「月刊仏事」などを出版していますが、コンテンツ配信の主力を紙からポータルサイト運営と切り替えた途端、急成長を遂げました。1984年に創業した同社は、2015年に「東証マザース」に上場しましたが、それからわずか2年で「東証一部」に上場しています。現在は「いいお墓」「いい葬儀」「いい仏壇」の3つのポータルサイトを運営し、売り上げの9割を占めています。2017年の1月期のWEB単体の売り上げは11億5000万円でしたが、翌2018年1月期の売り上げは33%増の15億3000万円、さらに2019年1月期は52%増の23億3200万円となり、成長は加速しています。
葬儀は、事前に利用者を抽出するような広告が打ちにくいといわれ、さらに、業界特有の事情もあります。葬儀方法やしきたりは地域によって差異があり、地域密着型の中小業者が圧倒的に有利でした。

客単価下落による、葬祭市場の限界

そんな業界が、今、都市化・インターネット化の波を受けています。同社のユーザーは40代が圧倒的で、続く50-60代がボリュームゾーンだったが、ここ数年その年代の利用率が上がってきています。つまり、インターネットに対する親和性が高い高齢ユーザーが増加しているのです。また、全国にある1万社の葬儀社のうち、仏教や葬儀に関する情報誌を刊行している関係から6000社と取引があり、細かい地域性にも十分対応できます。
しかし、今後予想されるのは、葬儀の単価の下落。社会はシンプルな葬儀形態を求めています。

次のマーケットは「デジタル遺産」か?

そこで、同社は「デジタル遺産」マーケットにも力を入れていく予定です。「相続」「遺言」の問題からネット上の銀行・証券口座など、人間の死に対する準備は年々複雑化してきています。最近は投資や副業などの増加もあり、Web上に本人しか分からない財産があることは珍しいことではなく、これが遺族を悩ます問題となっています。しかもこれらはセキュリティもしっかりしており、解約や現金化も容易ではありません。

限られた命がある以上どうしても避けられないものについて、ユーザーにどうサービスを提供するか? 今後、「終活」マーケットの行く末にはぜひ注目しておきたいものです。

[参考]
ITmediaビジネスオンライン:「伸びる終活 年平均26%成長の鎌倉新書のヒミツとは」

2020年3月5日更新

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