業界ニュース

新型コロナウィルスの患者を救う「心肺補助システム(ECMO)」とは? 世界一の保有台数を誇るが、人材が不足

新型コロナウィルスの患者を救う「心肺補助システム(ECMO)」とは? 世界一の保有台数を誇るが、人材が不足

こども・福祉・心理・看護・医療・健康

新型コロナウィルスでは、各界有名人の感染や訃報が相次ぎました。中でもタレント・志村けんさんの死去は衝撃的なニュースとして伝わりました。そうしたニュースの中で、クローズアップされたのが心肺補助システム(ECMO)の存在です。このシステムの正式名称は「体外式膜型人工肺」。心臓と肺が生命を維持する機能を失った場合、最後の切り札として使われるシステムのことです。その原理は、身体から血液を抜き出し、装置内にある人工肺にてCO.2を除去し、赤血球に酸素を付加し、再び体内に戻すというもの。心臓や肺を休ませ、機能回復を図るという目的があります。 高度な装置だけに使いこなせる人材も限られ、人材育成が急務となっています。

  1. 日本のECMO保有台数は世界一
  2. 人材が不足しており、使いこなせる臨床工学技士の確保が急務
  3. 今後、感染症を始めとした最先端の医学には、先端機器が使用できる人材の育成が必要となる

日本のECMO保有台数は世界一

日本には1300台のECMOがあり、世界でも異例の保有台数を誇っています。しかし臨床工学技士の数30,000人弱のうち、ECMOの操作が可能な人は1000人以下。熟練した人となると更に少なくなります。ECMO操作は2-3交代で24時間態勢で動かす必要があり、実際に常時実働できるのは300人程度になるとみられています。さらに通常は「医師」「看護師」「臨床工学技士」の3人でチームを組むため、臨床工学技士以外にも多数のスタッフが必要となります。

保有台数よりも人材の確保

このように、保有台数に比べて人材の数が限られているため、多数の機器が対応できない状況にあります。また、新型コロナウィルスの患者に全てのチームを投入するわけにはいかないため、4月中旬には5月にかけては、パンデミックが起こればたちまちトリアージ…という状態まで追い込まれました。高度な医療機器は稼働させるために熟練したスキルが要求されるため、早急な技術者養成は不可能です。

最新機器の増加とともに臨床工学技士のニーズが増大する

今後の医療界は、最新機器の導入とともに臨床工学技士の育成が課題となっています。看護師とWライセンスを取得する人もいますが、専門的かつ熟練した技術者を少しでも多く育てることが喫緊の課題となっています。

(参考:日刊工業新聞)

2020年6月15日更新

記事一覧

関連記事

ページトップへ