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リハビリテーションの主役「理学療法士」の現在と、AIが変えていくその未来

リハビリテーションの主役「理学療法士」の現在と、AIが変えていくその未来

こども・福祉・心理・看護・医療・健康

身体機能回復の専門家である「理学療法士」。有資格者数は12万人に達しており、これまでの活躍の場だった病院など医療施設は徐々に飽和状態になってきています。代わって増えつつある活躍の場が介護施設、在宅医療や一般企業。さらにAIの発達により、その仕事のスタイルも将来変貌を遂げそうです。

  1. 理学療法士は規制緩和により急増した
  2. 将来的に、より専門的かつ高度な理学療法士が求められている
  3. もうひとつのスキルや資格を持てば、差別化を図れる

病院など医療施設のキャパシティを、有資格者の数が上回りつつある

超高齢化社会の到来とともにリハビリテーションのニーズが拡大、理学療法士の必要性が高まりました。以前に比べて、身体の機能が維持された元気な高齢者が増えたのも、この頃にリハビリテーションの現場で活躍した理学療法士の功績が大きいと言えます。しかし、その後により多くの理学療法士を輩出するべく養成校の規制緩和が行われた結果、今度は医療の現場では飽和状態を迎えてしまいました。病院などのインフラ整備が理学療法士の増加に間に合わない状況になったためです。

変化しつつある理学療法士の業務

代わって注目されているのが、介護施設や在宅医療、企業などでの業務。
寝たきりを回避するための予防医療や、慢性疾患に対する運動療法に対するニーズが増加しています。さらに、「中枢神経疾患」「発達障害」「呼吸器疾患」などに対するQOL改善の分野でも積極的な参入が要求されています。そして産業分野では、企業において作業労作状況や作業環境改善に対する業務も求められています。

加えてICT技術の導入によって、これまで理学療法士が経験と症例に対する知識に基づいて時間をかけて作成してきたリハビリテーションのプログラムを、AIが代わって瞬時に作成できる時代が到来しつつあります。AIがプログラムを作り、それをネットワーク上で共有することにより、チーム医療での迅速かつ円滑な活用が期待されています。つまり、リハビリテーション初期における治療計画にかけていた時間と労力が、まるまるAIにとって代わられる可能性があるのです。

このように理学療法士の業務は、従来は重要だったものの一部が減少・消滅し、逆に取り組みの少なかった分野に対し、より高度かつ専門性を持った参画が求められる時代に入ろうとしています。

他者と差別化できる資格やスキルを身に着ける

では、これからどのような理学療法士を目指せばいいのでしょうか?
最も現実的な方法は、もうひとつ専門性の高い資格やスキルを身に着けること。
それによって、他の有資格者との差別化を図ることができます。例えば「ケアマネージャー」や「呼吸療法認定士」、「義肢装具士」であれば、リハビリテーションをしながら、高齢者や障がい者、慢性疾患を持つ患者に対するQOL向上が行える者として、長きにわたって力を発揮できる可能性があるのです。
他の有資格者に比べてどのような優位性を打ち出すかが、今後の活躍のカギになるでしょう。

M3.com:「理学療法士等による訪問看護の適正化、診療・支払側とも同意」
厚生労働省資料:「理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について」
ほか

2020年3月5日更新

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