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美容室で「美」と「健康」の両面をサポート 認知症に化粧療法、非接触の美肌診断最前線

ビューティ・ファッション

美容室で病気を未然に防ぐ、未病改善へ

 「美容室のプラットフォーム化」という新産業を創生する日本美容創生㈱は、美容室Atelier kazuの協力により女性と理学療法士、美容室の三者をつなぐマッチングサービス「Beauty Venue」の試験運用を2021年10月に開始しました。通いなれた美容室で理学療法士によるカウンセリングを受け、自分の体の状態をみて「健康」と「美容」からコースを選びストレッチ(オリジナルセラピー「フィジカルケア」)を受けることができるものです。このシステムは日本初の試みですが、8月に行った実証実験の好結果を受け、今後は自治体との連携も進んでいくようです。

化粧療法の早期効果を臨床試験で証明

 認知症患者を対象に、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)脳神経内科学の阿部康二教授と岡山大学病院の森原隆太助教、田所功医員らの研究グループは、日本 介護美容セラピスト協会の谷都美子代表理事らと共同で臨床研究を実施しました。その結果、開始直後から情動機能改善効果があること、さらに、AIを用いた顔解析では、患者の見た目年齢が若返り、喜びが増加することを世界で初めて発見しました。化粧療法の有効性が科学的に示されたことで、今後普及が進むことが期待されます。

非接触で肌状態を測定、一人ひとりに合った提案が可能に

 株式会社資生堂が世界8 8の国と地域で展開しているブランドSHISEIDOは、非接触で肌内部の状態の測定を行う店頭機器「Beauty Alive Circulation Check(ビューティー・アライブ・サーキュレーションチェック)」を開発し、順次グローバルにてサービス提供を開始すると発表しました。年齢、性別、人種、肌のタイプにかかわらず、肌のかがやき、なめらかさ、ハリなどを測定し、パーソナライズな提案を行うとしています。SHISEIDOのほか、花王株式会社のカネボウ化粧や株式会社FANCLでも非接触型の肌分析サービスを開始しています。

2022年5月19日更新

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