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転換点を迎える自動車業界のビジネスモデルとは?

転換点を迎える自動車業界のビジネスモデルとは?

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「自動運転」「ゼロエミッション化」「新興国の産業化&市場化」と、自動車業界を取り巻く状況は100年に一度の大転換点を迎えているといえます。運転はマニュアルミッションからオートマチック、各種センサー装備とどんどんイージードライブ化しており、完全自動運転に近づいています。排気ガス規制と原油価格高騰も年々厳しくなり、アイドリングストップやハイブリッドを経て、ゼロエミッション化に進んでいます。さらに自動車生産自体のグローバル化も進み、工業力の格差が先進国と新興国の間で縮まってくると、先進国のいくつかのメーカーに独占されていた自動車生産が、新興国の間でも広く行われるようになりました。

  1. 自動車業界の現在のトレンドは「CASE」。
  2. 自動車の新技術は他業界からのものが増えている
  3. プラットフォームが世界を制す

単なる移動手段だった自動車をエレクトロニクスが変える!

自動車業界で今話題になっているキーワードが「CASE」。「C」は通信(Connected)、「A」は自動運転(Autonomous)、「S」は共有(Shared)、「E」は電気化(Electric)と、将来の自動車の目指す先を指しています。この4つのキーワードによって、自動車が、これまでの「走る」「曲がる」「止まる」+「快適性」といった、移動手段としての性能向上を目指していた時代とは全く違うステージに入ったことを示しています。
まず「C」の通信面での変革は、GPSを軸として地図情報や位置情報に接続する機能です。これまでカーナビとして使われてきた機能ですが、今後は自動運転や相互通信に対する重要な機能となります。また、「A」は、その自動運転そのものになります。自動運転はクルマそのものだけではなく、交通システムやレーダー、センサーなどを標準化・規格化する必要があります。当然、ひとつの特許が採用されれば、莫大な権益ができます。この標準化・規格化をめぐって、各自動車メーカーやIT企業がしのぎを削っているのです。そして、「S」であるシェア。ある調査によると自家用車が使用される時間は、全体の1割に過ぎず、残りの9割は駐車場や車庫に眠った状態とのことです。これでは効率が悪いです。このため、自動車を共有するビジネスも進んでいます。これが進むと、これまでマルチユースの道を進んでいた自家用車の開発が、単機能化、専門化していくと思われます。また、保険業界も変革を余儀なくされるでしょう。そして最後の「E」は、ゼロエミッション化です。英国政府はこのほど、2035年までの自動車のゼロエミッション化、つまり化石燃料の全廃を発表しました。

他業界などからの技術導入が急増している

かつて化石燃料を使用する自動車産業は、部品から完成車メーカーへの巨大なピラミッドを形成していました。企業城下町と言われるように、巨大メーカーの工場の近隣にはたくさんの部品メーカーが並び、ひとつの町を形成していました。これがサプライチェーンの変化や、他業界からの参入により、大きな変化を迎えています。例えば、内燃機関は自動車メーカーの技術力の固まりでしたが、これが電気自動車になれば、モーター駆動になります。つまり、電気メーカーの技術が流れてくるのです。電装部品にしても、GPSやセンサー、レーダーなどは電気メーカーなどの力が必要です。また新興国の自動車メーカーは、各国の名門自動車メーカーに対抗するために、これまでの技術の積み重ねよりも、燃料電池などの新しい技術を積極的に取り入れる傾向にあります。

プラットフォームを取ったものが天下を取る!

こうした状況の中、イスラエルのIT企業「モービルアイ」社のシステムが今、注目を集めています。自動運転に使われる画像認識半導体は、日産自動車など多くの企業が採用しており、今後のさらなる成長が期待されています。

イスラエルは軍需産業が盛んな国ですが、そういった土壌から生まれる技術はあなどれないものがあります。このように、これからは新興国から出てきた企業が、プラットフォームを作る可能性があります。新興国の小さなメーカーであっても、標準化が達成されれば、莫大な利益を生み出すのです。

[参考]
EEタイムスジャパン:「自動車メーカーのビジネスモデルは今後どうなる?」
朝日新聞グローブ:「インテルが1.7兆円で買収した自動運転技術 イスラエルがITエリート大国になった理由」
ほか

2020年3月16日更新

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