公認スポーツ栄養士のスペシャリストに聞きました

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よしざわ ゆきか▶新潟県出身。小学5年生の時に陸上をはじめ新潟明訓高等学校へ進学。卒業後、和洋女子大学で管理栄養士受験資格を得て合格。現在、日本大学大学院博士後期課程に在籍。修士修了後、調理を学ぶため2年間、委託給食会社での仕事も経験。昨年、取得した公認スポーツ栄養士の資格を活かし、選手の栄養サポートだけでなく、大学や専門学校などで非常勤講師も務める。

アスリートのポテンシャルを引き出すため
生活までも把握した栄養サポートを考える

体重コントロールに苦しむ選手を支えたい

 小学5年生から陸上競技の走り高跳びを続けていました。高校は陸上の強豪、新潟明訓高校に進み、秋の北信越大会のリレー種目などに出場した経験もあります。走り高跳びは競技の特性上、体重が軽いほうが高く跳べるということもあり、周りの人からの指導や自分から率先して体重を落とすために食事をコントロールしていました。食べることが好きなのに食事量を減らさなくてはならないストレスと選手としての責任感のはざまで苦しみました。結果として体重は落ちて、成績も上向いたのですが、ケガが多くなってしまい、高校2年生の一年間は競技から離れて、チームのマネージャー的ポジションで同級生と後輩のサポートに徹しました。
 そうした経験から自分のように体重コントロールに苦しむ選手を少しでもなくしたい、と考えてネットなどで検索したときに公認スポーツ栄養士という資格のことを知りました。公認スポーツ栄養士になるには、管理栄養士の国家資格が必須なので、まずその資格を得るため、和洋女子大学家政学群 健康栄養学類(現:和洋女子大学家政学部健康栄養学科)に入学。そこにはスポーツ栄養学の授業があり、公認スポーツ栄養士の先生が在籍しているということが大きな決め手となりました。

難関の公認スポーツ栄養士を取得するために

 管理栄養士の資格を取ったのは大学卒業時の2018年。そこから日本大学大学院に進学しました。大学院に進んだ理由は、スポーツ栄養士になるために専門的なことをもっと学びたいと考えたからです。大学院では研究活動の傍ら、大学生アスリートの栄養サポートも行っていました。公認スポーツ栄養士の教授の指導の下、選手の体重コントロールや貧血予防、チームの栄養教育や試合帯同など様々なサポートを経験しました。栄養はもちろん、医学やトレーニングについても学びましたが、授業だけでは学べない、コーチや選手との連携、対人スキルを養うことができたと思います。
 修士課程2年の時に、公認スポーツ栄養士養成過程の受講資格を獲得し、昨年、念願の公認スポーツ栄養士の資格を取得しました。公認スポーツ栄養士の専門科目検定試験の受験1回目での合格率は非常に低く、現場でのしっかりしたスポーツ栄養マネジメントのインターンシップを必要とします。その中でも、私が合格できたのは、大学院2年間での貴重な栄養サポート経験があったからこそだと思います。現在は、非常勤講師として教壇に立ったり、選手やチームの栄養サポートを行いながら博士課程で研究活動を行っています。

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アスリートとの信頼関係を築くことが大事

 昨年度から日本ライフセービング協会のハイパフォーマンスチームにたずさわっています。イタリアの世界選手権にも帯同して選手約25名の昼食や補食・ドリンクの提供をいました。また、個人では学生だけでなく社会人の柔道や陸上競技選手などの世界や日本のトップで活躍しているアスリートのサポートも担当しております。ケガや体調不良悩まされ、シーズンを棒に振ってしまった選手が、試合で優勝した時は自分のことのように嬉しかったです。
 同じアスリートであっても競技や試合運び、体格によっても栄養の摂り方はそれぞ違うので、選手とどれだけ信頼関係を築けるかが肝心。選手の競技のことを理解していない栄養士に選手は心を開いてくれないと思うのです。信頼関係を築くうえでも競技を知るということを私は大事にしています。

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栄養に関する選手との面談

公認スポーツ栄養士をめざす高校生へのメッセージ

スポーツ栄養士に求められるスキルを今のうちから少しずつでも身につけていってください。
スポーツ栄養士は実際に調理をして選手に美味しいもの、かつ安全な食事を提供するので、調理のスキルがないと料理をブラッシュアップしていくことができません。なので、今のうちから料理を少しずつでも覚えていってほしいです。また、スポーツ栄養士は対人職種なのでコミュニケーションスキルとマネジメントスキルを養ってほしいと思います。どんなことでもそうですが、「近道はない」ということを意識しながらいろいろなことに取り組んでいってください。

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