バリスタのスペシャリストに聞きました

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ほんま けいすけ▶1985年茨城県ひたちなか市生まれ。水戸商業高等学校から日本体育大学へ進学。2010年㈱サザコーヒー入社。店舗勤務を経て営業部配属。2013年よりバリスタ日本一を決める競技会JBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)に出場。準決勝進出(16位以内)が目標とされる中、2015年に6位、以後2位、2位、3位と4年連続で決勝進出しファイナリストとなる。普段は得意先営業の傍らイベントやカフェ開業セミナーなどでバリスタとしてコーヒーを語り、腕を振るう。

バリスタ技術を究め 世界の舞台で【SAZA】の名を広めたい

大学時代のアルバイトで接客に興味を持ち
地元コーヒー会社へ就職

 高校まではサッカーに夢中で、卒業後は体育の先生をめざして東京の日本体育大学へ進学しました。在学中に大手焼肉店のアルバイトを経験し、スポーツ以外の世界に触れたことが今の仕事の原点だったと記憶しています。接客の中でもマニュアルだけでない、自ら工夫ができるプラスアルファのサービスに喜びを見出していました。教員採用の夢がかなわず、しばらくはアルバイト生活を続けていましたが、父の勧めでひたちなか市に帰ることになり、地元の㈱サザコーヒーに入社しました。当社はコロンビアに自社農園を持ち、コーヒー豆の生産・焙煎、卸、直営カフェまで一貫したコーヒービジネスを展開しています。

この味はコーヒーじゃない!
希少品種「ゲイシャ」と出会いバリスタへの道へ

 当社では世界の珍しいコーヒー豆(スペシャリティコーヒー)を取り扱っていますが、入社して間もない頃、「ゲイシャ」という希少品種を買い始めました。それは今までで飲んだコーヒーとは明らかに異なり、「これはコーヒーじゃない!」と思うほど、衝撃的な出会いとなりました。この時からバリスタの扉が開いたように思います。
 私が入社した2010年から、スペシャリティコーヒーの日本一競技会・JBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)に会社を挙げて取り組んでいだことも、バリスタへの興味が深まるきっかけとなりました。社内で特別チームを編成し、監督の指導のもと精鋭メンバーが競技会に必要なバリスタ技術を研鑽。当社社員の成績は2011年から3年連続で準決勝進出(16位以内)が最高位でしたが、その方が出産子育てを機に競技を引退したため、後継の私たちが上位進出をめざしました。

他国の大会よりも激戦のJBC
3年連続で社員3名が決勝進出

 JBCはとても華やかな競技会で、スペシャリティコーヒーの業界にいる者ならば誰もがあこがれる舞台です。決勝戦を目の前でみたときから、「自分もいつか出場したい」という思いが強くなりました。近年は日本のバリスタ技術が向上し、他国よりも日本の大会で勝ち抜く方が難しいといわれています。当社にとっては決勝進出(ベスト6)が“超えられない壁”のように立ちはだかりましたが、2015年に初めて私が6位入賞し、それから5年連続で決勝進出(2位、2位、3位、3位)しています。さらに2017年、2018年、2019年は私のほか2名が決勝に進み、決勝進出6名のうち3名が当社社員という成績を残しました。茨城県の一企業から連続でファイナリスト3名は業界にインパクトを与えただけでなく、サザコーヒーが世間でも注目される後押しになったと実感しています。

生産者とユーザーの架け橋がバリスタの使命

 近年はおいしいコーヒーを数値化し再現する技術が進んでいますが、今でも“不確実なもの”がたくさんあるので完全再現は難しく、同じ材料でも淹れる人によって味が変わるのも、そのためだといわれます。また、農園生産者の意識改革が進み、工夫と日々の努力の賜物で高品質なコーヒー豆を供給しているなど、カフェブームの背景にある物語を伝えるメッセンジャーとしての使命が、バリスタにはあると考えています。それにはコーヒーの世界観をことばで説明できる能力と探求心が必要で、カッピング技術だけでなく思想など、人としての深い見識まで求められるのではないでしょうか。
 現在は営業としてホテル、レストラン、スーパー、卸先を廻る傍ら、バリスタのスキルはイベントや「カフェ開業セミナー」講師で活かしています。私の名前【啓介】の啓の字は「教えることの楽しさ」を表していますが、教員になる夢は別の形で叶えられました。バリスタは独立する人も少なくない世界ですが、これ以上の恵まれた環境はありません。次は私がJBCで優勝して、世界の舞台で【SAZA】の名を広めたいと思います。

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バリスタをめざす高校生へのメッセージ

やりたいことは常にある
見つけるには関心を持つことが大事

私はサッカーから教員をめざし、接客のアルバイトで仕事の楽しさを知り、コーヒー会社でバリスタに出会いました。常に関心をもって取り組んでいたと思います。やりたいことを見つけて世界が広がり、仕事との向き合い方も変わりました。どこにいても、無関心でいないことが大事だと思います。

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