動物看護のスペシャリストに聞きました

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なかおか さゆみ▶大学の動物看護科を卒業後、約4年間一次診療施設で動物看護の仕事に携わる。その後、動物の循環器病を専門とする二次診療施設、JASMINE どうぶつ総合医療センターに転職。現在は動物看護の仕事をしながら、2023年に最初の試験が予定されている愛玩動物看護師国家資格取得の勉強とともに、ペットロスに苦しむ飼い主さんに寄り添うために、グリーフケアや傾聴も学んでいる。

命の危機に瀕した動物たちを救うために
動物が発する情報をすべて見逃さないように

獣医師と飼い主さんの懸け橋になれる

 幼いころから動物が好きで、動物図鑑や動物のTV番組をよく見ていました。親が人のお医者さんをしていたことから、私は動物のお医者さんになりたいと幼心に思っていました。高校入学のタイミングで、念願だった犬を飼うことになり、初めて動物病院に行く機会がありました。その病院の先生は強面で少し不安でしたが、間に入ってくれた動物看護師のお姉さんのやさしいイメージが強く残り、その時に動物看護師という仕事を初めて知りました。この経験が、具体的に動物看護師を目指そうと思った最初のきっかけになりました。
 実際に動物看護の仕事をしていると、「先生にはなかなか話しづらいことでも、看護師さんなら話しやすい」と言われることは多いです。そういう存在でいられるということは、獣医師にとっても自分だけでは得られなかった細やかな情報を得られるわけですから、質の高い診療につながります。ですから、動物看護師は、獣医師と飼い主さんの間のクッションの役割というか、懸け橋になれる存在だと考えています。

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重症度の高い動物の命を救うための施設

 現在私が勤めている、JASMINE どうぶつ総合医療センターは、一次診療施設(一般の動物病院やクリニック)では治療が難しかったり、不調の原因が不明だったりする犬や猫が来院する二次診療施設です。ですから、来院する動物の重症度が高いのが、一次診療施設とは異なることの一つです。一次診療施設であれば、健診やワクチンなどで元気な子もたくさん来院しますが、二次診療施設には状態がすごく悪い子が来院するので、そのぶん些細なことにも気づいてあげる必要があります。そのために、循環器病の場合、どんな合併症があるのかということも勉強しておかなくてはなりませんし、それを踏まえて、どんな症状があるのかということも把握しておかなければなりません。

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動物に声をかけ些細な反応にも注目する

 「動物が発する些細な情報もすべて見逃さない」ということは、すごく大切です。仕事の中では、動物に声をかけて、それに反応する表情や行動、息遣いを丁寧に観察することを心掛けています。動物には人間の言葉は理解できませんが、声のトーンなどで伝わることは多いです。動物は人間の気持ちを敏感に感じ取るので、私たちが不安な気持ちでいると、それが伝わって動物も余計に怖くなってしまいます。そうならないように、「大丈夫だよ」とまず言葉にすることで自分の気持ちを落ち着かせることができ、動物も落ち着いてくれます。ですから、仕事の中で動物に話しかけることは、とても重要だと考えています。
 今後は国家資格化することで、動物看護師の仕事もすごく広がると思います。その時に、獣医師から求められることに応えられるように、まずは国家資格取得のために勉強をし直し、新しい気持ちで動物看護という仕事に向き合っていきたいです。

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動物看護の仕事をめざす高校生へのメッセージ

動物が好きという気持ちをずっと持ち続けてほしい
動物が好きという心を持ち続けていれば、悲しいことがあっても、苦しんでいる目の前の動物に何かしてあげたいという気持ちが途切れず、知識を増やし、何ができるかを考える原動力になります。これは、動物看護師として成長するためにすごく大切なことです。

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