わだ まりえ▶国際航空専門学校を卒業後、2009年入社。羽田空港の機体点検整備室機体システム課にて格納庫での重整備を担当後、2014年より運航整備部国際運航整備室へ異動しライン整備に従事。国家資格である、一等航空整備士を取得(ボーイング767、ボーイング737)。2019年、約2年間育児休職を経て現場に復帰した。
地上の責任者として、お客さまや仲間の安全を守る
それが航空整備士の使命です
飛行機のスケールの大きさに惹かれ
航空整備の道へ
航空整備士の道を志したのは、高校卒業後の海外留学中に飛行機に乗る機会が増えたことがきっかけでした。もともと機械などに興味があったこともあり、飛行機の仕組みを知り、自分の手で手入れをしたいという思いが膨らんでいきました。留学から帰国後は、本格的に航空整備士を目指すため、専門学校への入学を決意しました。
就職後、最初に配属されたのは格納庫での重整備の担当でした。飛行機を分解し、点検や交換などを行う仕事です。飛行機という大きな機体を分解するのはなかなかの力仕事ですが、チームワークを大切に作業しています。入社当初は、職人気質な重整備で自分の技術を極めたいと考えていましたが、別の部門で働く同期に刺激を受け、次第にライン整備にも関心が広がっていきました。ライン整備には、一等航空整備士の資格と社内のライセンスが必要になるため、重整備で経験を積みながら、一等航空整備士の勉強をしました。資格取得には、専門学校で学んだことが役に立ち、仕事をしながらでも無事合格できました。
航空整備士は地上の責任者
スタッフとのコミュニケーションを大切に
ライン整備とは、空港で飛行機の発着時の点検を行うことです。飛行機が空港に到着してから出発するまでの限られた時間のなかで、コックピットから客席まですべての点検と、飛行中に発生したトラブルへの対応を行います。幅広い知識やオールマイティな技術が必要になるとともに、仲間と連携し、コミュニケーションを取ることも大切な業務のひとつです。貨物や荷物を運搬するスタッフや燃料を搭載するスタッフ、機内をクリーニングするスタッフなど、発着時に作業を行うありとあらゆる役割のスタッフたちとの綿密な連携は、安全な飛行のために必要不可欠。地上での飛行機の責任者は整備士なのでプレッシャーもともて大きいですが、不具合がない状態で機長に機体を渡し、無事飛び立った時の達成感が仕事のモチベーションをあげてくれます。
乗客や仲間の安全を守るのが
航空整備士の一番の使命
この仕事で一番大切にしていることは、とにかく安全を守ることです。飛行機の安全はもちろん、一緒に働く仲間たちの安全も守るのが航空整備士の使命です。飛行機は壊れても修理ができますが、人の命はそうはいきません。
そのために、常に最新の情報をアップデートしていく必要があります。飛行機は非常に複雑なシステムによって作られており、その最新のシステムが頭に入っていないと初期対応の遅れにもつながってしまいます。同じ作業でも、マニュアルの内容が変わっていることもあるので、安全のために最新の情報を学び続ける努力が欠かせません。
誰にでも、活かせるところがある
航空整備士にもさまざまな人がいます。
全ての分野に精通しているプロフェッショナルがいるわけではなく、それぞれ電気・油圧・機体構造・客室など得意分野を活かしながらそのスキルにマッチした整備士が対応しています。それぞれの個性を活かし、補い合って仕事をしています。こうだから無理と思わずに、自分の活かせるところに目を向けて欲しいと思います。