現在どのようなお仕事をされているのですか?
下肢身体障がいの補装具を設計・制作する会社を運営しています。先天性の障がいや病気、事故により身体が不自由になってしまったお子さんに、主に四肢体幹機能、歩行機能獲得のための補装具を医師の指示のもと提供させていただいております。西武医専卒業後、義肢装具製作所に勤務。その後独立し、2013(平成25)年10月に開業し、現在代表取締役を務めています。「歩くための装具」である短下肢装具や靴型装具の採型、適合(納品)が主な業務です。そのほかに、療育センターや大学病院、国立の研究センター臨床機関などのお手伝いもさせていただいております。学会発表などの研究的な仕事や、大学の義肢装具学科における小児装具の講義も担当しています。
西武医専の授業、実習全般の学びは役立っていますか?
私の患者様のほとんどは小さな子どもたちです。様々な診療科目の医師、多くのリハビリテーション職種といった方々との多職種連携の中で「補装具分野」を任されています。経験の有無などは、たとえ初年度であっても、患者様や他の専門職種の方々には関係ありません。そのような状況の中で、西武医専で学んだことは即戦力として役に立ちました。また専任の先生はもちろん、「整形外科学」や「リハビリテーション医学」といった臨床医学の多くは、第一線の臨床医がご担当されており、「大腿義足」といった専門科目でも「義肢装具士」として実際の臨床の場で活躍されている先生方も多く、卒業後もご相談させていただきました。
西武医専で身につけたマナーや心構え、精神面での学びは役に立っていますか?
西武医専では、「義肢装具士」としての知識・技術はもとより、「自立した社会人」として学ばせていただきました。世の中では「学生」だから許されることが多々あると思います。西武医専ではそれがありません。個々人が考えて行動し、仕事(としての学習)をしていくよう学びました。そのため社会に出て困ったことはありませんでした。実際、当時は皆スーツにネクタイで授業を受けていました(笑)。
社会人になって気づいたことで、後輩へのアドバイスはありますか?
西武医専で学んだことをそのままキチンとできれば大丈夫だと思います。整容に気をつけ、時間を守って行動し、丁寧に話して、言われたことをメモし、やるべきことをやり、そのために努力(勉強)して提出期限を守る(笑)。
見ている人は見てくれています。私の場合は医師や患者様。そうすることで信頼してくださり、逆に励ましてくださいます。
これからの夢、目指すところ
現在、別の医療資格を取るため、夜学に通っています。「義肢装具士」として、より一層子どもたちとそのご家族のために役に立てればと思っています。