現在どのようなお仕事をされていますか?
臨床検査科のマネージメント業務、超音波検査、猛威を振るっている新型コロナウイルス遺伝子検査などを行っています。
仕事でのやりがいを教えてください
10年、20年先を見据えながら、検査科のさまざまな体制を整えていくこと。職場における後輩技師を成長させ、自分以上に力をつけさせていくことがやりがいですね。
西武医専の授業、実習全般の学びは役立っていますか?
卒業して30年以上過ぎていますので、現在のキャリアからすると、役立っているかは疑問がありますが、学生当時は、実習期間が10か月程度と長くあったので、就職した時、すぐにルーチン業務を覚えることができたことは助かりました。
西武医専で身につけたマナーや心構え、精神面での学びは役に立っていますか?
相手を思いやる気持ち(ホスピタリティ)、これは患者さん以外に、検査や自分を取り巻くすべての人たちに対して気遣いをすることです。例えば検体を受けるにあたって、患者さんのことはもちろん、依頼する医師のこと、採血する看護師のこと、検体を運ぶ助手さんのことなど、関わるすべての人たちのことを考える必要があります。
社会人になって気づいたことで、後輩へのアドバイスはありますか?
仕事に就くということは、苦手なことや嫌いなことにも取り組まなければなりません。そのような場合でも、そのことができるようになることで自身の器を「これで大きくすることができる」と前向きに考えて取り組むことが重要です。さらに、最近の風潮として「楽しく〇〇をしたい、〇〇を楽しみたい」といった感想をよく聞きます。そこで「楽しい」=「楽(らく)」ではないことを理解する必要があると考えています。例えば、検査の仕事を楽しく感じるためには、一定以上の技術、知識を身につける努力をしなければ楽しくはなりません。これは楽(らく)なことではありません。
これからの夢、目指すところ
あと少しで定年ですので、これからの目標といったものはとくにありませんが、新型コロナウイルスを取り巻く検査環境は、まだまだ変化すると思いますので、そのための検査体制を構築することです。将来の臨床検査技師像としては、AIの進歩で臨床検査技師がルーチン業務として行っている手作業は減っていくと思います。その上でコンパニオン診断が進むので、より正確、精密な結果が求められます。また、検体採取や生理検査などを患者さんの近くに行き、実施することも求められると思います。検査室内ではより高度な検査をし、一方で病棟や在宅・介護施設などに赴き患者さんの身近で検査をするようになるのではないかと思っています。